2020-01-01から1年間の記事一覧

理由のない場所(イーユン・リー)★★☆☆☆ 11/28読了

母親と自殺してまもない16歳の息子との会話で進められる物語。実体験をもとに書かれた本書からは、深い悲しみが伝わり心を打つ。 16歳で自殺した息子とその母親の対話の形式をとる物語だが、著者のイーユン・リーの実体験が元になっている。色々とやり切れな…

Però/ペロウ(ランチ)

シアタートラムでの芝居が13時開演で、終わったのが14時半。そこから、シニフィアン・シニフィエへ。今まで、三軒茶屋での観劇は何度もあったが、ちょっと遠いとか、高いとかで敬遠していた。移転して少し駅に近くなったようだ。というわけで、聖地シニフィ…

PANCETTA special performance “un”@シアタートラム

新しい才能の発掘を目指す、“シアタートラム ネクスト・ジェネレーション”シリーズ・第13弾! 世田谷パブリックシアターによる、若い才能の発掘・育成のための事業“シアタートラム ネクスト・ジェネレーション”。 1年に1度、公募により選ばれた団体にシアタ…

ディーコープ・ラック デュ ビュル ブリュット NV

ブドウ農家が集まって1950年に始まったワイナリーも、今や、9000人以上の組合員にまで広がった大会社。造るワインも安定感があります。 パイナップルやリンゴ、フレッシュな柑橘系など、フルーツ香が芳醇に漂います。口当たりソフトで繊細な泡立ち。 酸味が…

我々は、みな孤独である(貴志祐介)★★★☆☆ 11/20読了

探偵・茶畑徹朗の元にもたらされた、「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子だったが、調査を進めるにつれ、次第に自分たちの前世が鮮明な記憶として蘇るようになる。果たして犯人の正…

ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル・サヴァニャン 2014

ジュラ伝統のヴァン・ジョーヌと同じくウイヤージュをせず、薄く張った酵母の膜の下でワインを熟成。ハチミツやセミドライのリンゴに、クルミやアーモンドのニュアンスが漂う複雑な香り。広がりのある繊細な味わいは豊かな酸とミネラル感に満ちている。ナッ…

今も未来も変わらない(長嶋有)★★★★☆ 11/14読了

まさか私が!?年下の男にときめいて。仕事も、恋も、子育ても四十代の日常は平凡なのに盛りだくさん。歌を友に、レジャーをともに―「大人が楽しむ」物語。 雑誌「婦人公論」で連載されていたので、本の装丁が「婦人公論」のようになっている。内容も「婦人公…

メンティ・ロンカイエ・スイ・リエーヴィティ 2018

自然と地域の伝統に対して最大限の敬意を払ってワイン造りに取り組むメンティ。2酸化硫黄も酵母も葡萄由来でない糖分も添加せずに造られる、微発泡のガルガーネガ!優しい果実味をきりっとした酸が引き締め、ミネラルの印象が残るドライな味わい。無類にピュ…

死んだレモン(フィン・ベル)★★☆☆☆ 11/11読了

酒を飲んで運転し、自損事故で下半身の自由を失ったフィンは、心機一転、ニュージーランド最南端の町へ引っ越す。住居は人里離れたコテージで、26年前にその家に住んでいた少女が失踪していた。彼女が消えてから6週間後、不気味な三兄弟が住む隣のゾイル家の…

カレーダイナー38(ランチ)

近所にできたこちらのお店を初訪問。カウンター席はアクリル板で仕切られていた。 注文したのは「アンガスビーフのトラディショナルカレー」(税込み1,000円)。辛さとライスの量を選べるようになっていて、このカレーの場合、辛さは2~4。「普通」が2と…

レイナルド・エオレ・VdFルージュ“アティピック”(サンスフル) 2018

フランが増して奥行きがプラス!果実味はさらにノビます! キュベ名のアティピックは「型にはまらない」という意味で、様々な品種のブレンドから命名。 17年に新しく手に入れた樹齢34年のガメィが全然取れずに相対的にカベルネ・フランの比率が増えました。 …

ロティスリー・アルティザン(ディナー)

久しぶりに家族でこちらの店へ。来る前にコレットマーレに寄ったんだが、リニューアルでいい感じになっていた。有隣堂の新規店舗である「STORY STORY YOKOHAMA」もなかなか良かったんだが、時間がなくてあまりじっくり見られなかったのが残念。調べたらロテ…

カール・ローウェン・リースリング・クアント 2018

ライヴェン村にあるクロスターガルデンの区画のブドウを使用。樹齢25年以上。モーゼルの方言で、クアントは「良い物」を意味する。パイナップルや熟した柑橘系のアロマ。たっぷりとした完熟果実感がありながらも、溌溂とした酸とピュアなミネラルが心地よく…

未来のサイズ(俵万智)★★★☆☆ 11/6読了

子どもを育てることは時代と社会に直面していくことだった。何気ない日常にこぼれ落ちる奇跡のような瞬間を切り取った歌の数々は、短歌という定型だからこそ獲得できた、三十一文字の箴言集ともいえる。未来への希望をつかんで放さない、俵万智の真髄がここ…

ヴィラウナウ・コンデ デ スビラト カヴァ ブリュットNV

リンゴやグレープフルーツ、ほんのりとハーブのニュアンスなどが香ります。 味わいは、アタックからジューシーな果実味がありつつ、香り同様の柑橘やハーブのアクセントが、メリハリを生み出しています。 キリリとした味わいは、食事のスタートにもピッタリ…

内なる町から来た話(ショーン・タン)★★☆☆☆ 11/1読了

“人間を訴えたクマ”“カエルを救う秘書”“空の魚を釣り上げた兄弟”25話のセンス・オブ・ワンダー!世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞2020年受賞作! ショーン・タンは前から気になっていた。この本が初だが、絵本にしては文章が多かった。色々…

デナーヴォロ・ディナヴォリーノ 2013

ディナーヴォロのセカンドワイン。 畑の下部は土壌が水分を多く含む為、葡萄も水分を多く含んでしまう。そこで下部の水分の多い葡萄のみで造ったのがこのワイン。 『ディナーヴォロ』ほど、凝縮した強い感じではないですがむしろその分だけすいすいと飲めち…

俳句は入門できる(長嶋有)★★★☆☆ 10/31読了

俳句は打球、句会が野球。一人でもできるし、他者ともできる極上の遊びである。俳句ビフォーアフターで、こんなに人生が変わるなんて―。いつでも、だれでも入門できる、それが俳句。俳号や季語、俳句界の独特な空気や摩訶不思議なルール、実は知っておきたい…

iaku「The last night recipe」@座・高円寺1

結婚してから毎日、昨晩食べた料理をネットにアップし続けている、ある夫婦の晩御飯の記録『ラストナイトレシピ』。〝レシピ〟とは名ばかりで、完成した料理の写真を1枚載せるだけ。ときにはカップ麺やスーパーの惣菜、ときにはファミレスの写真がアップされ…

カフェアンリファーブル高円寺(ランチ)

2年半振りの高円寺での観劇。このカフェも久しぶり。店員が注文を取りに来るのではなく、カウンターで先に注文・精算してから席に着く形式になっていた。注文したのはピザプレートとアイスコーヒー。料理は、まあ、まずまずですね。施設内にあるから、ギリ…

ティエリー・ヴィオロ・ギィマール・ブルゴーニュ・ピノ・ノワリアン 2015

畑を5ha持っていて、100%自社ビン詰めしているのでそこそこの生産量にはなるのですが、フランスの個人客やレストランで、全量予約で完売してしまうためワインガイドにも出せないという、知られざるポマールの名人なのです。 また、ただでさえヴィエイユ・ヴ…

心は孤独な狩人(カーソン・マッカラーズ)★★★★☆ 10/30読了

1930年代末、アメリカ南部の町のカフェに聾啞の男が現れた。大不況、経済格差、黒人差別……。店に集う人々の苦しみを男は静かに聞き入れ、多感な少女を優しく包み込む。だがその心は決して満たされない――。フィッツジェラルドやサリンジャーと並ぶ愛読書とし…

ラ・マリオーサ・ロッソ 2016

エッジの効いたミネラルやドライフィグのようなコクのある果実感が上品な酸味によって、口の中で一つのハーモニーとして結実している。 50%チリエージョ、30%アリカンテ、20%サンジョヴェーゼ(他) 葡萄酒蔵ゆはらにて購入。夕飯は久しぶりにホットプレートを…

ドメーヌ・モス VdFブラン シュナン 2018

ここ数年のモスが造るエレガントなシュナンの姿をしっかりと感じる良好なバランスに思わずため息♪ パイナップル、アプリコット、カリン、アカシア、ハチミツ、タール、火打石の香り。 若い内からピュアな果実味と華やかな香りが全開! このキュヴェのコンセ…

持続可能な魂の利用(松田青子)★★☆☆☆ 10/20読了

「どうして親は私に殺しのテクニックを叩き込んでくれなかったのだろう」会社に追いつめられ、無職になった30代の敬子。男社会の闇を味わうも、心は裏腹に男が演出する女性アイドルにはまっていく。新米ママ、同性愛者、会社員、多くの人が魂をすり減らす中…

falo(ディナー)

5時半前の入店で一番乗り。前回はなかったアクリル板で隣席と仕切られていた。無粋ではあるけど、まあ仕方がないね。 一杯目はフランチャコルタ。突き出しはレンコン。入店してしばらくは一人だったが、faloだと一人でも気まずくならないからいい。最初のワ…

PARCO劇場オープニング・シリーズ “ねずみの三銃士”第4回企画公演「獣道一直線!!!」

演劇界のチームリーダーである、生瀬勝久、池田成志、古田新太が“今、一番やりたい芝居を、自分たちの企画で上演したい!”思いで結成された“ねずみの三銃士”による企画公演。 脚本には近年、2017年にテレビドラマ『ゆとりですがなにか』で第67回芸術選奨文部…

ペーター・フライムート・リースリング・ゼクト・ブリュット

モーゼル川流域で最も伝統あるワイン会社のひとつ 「ペーター・フライムート」より、ドイツ産葡萄を 100%使用したドイッチャー・ゼクトが入荷してきました。 今回入荷したゼクトは辛口の「フライムート・リースリング・ゼクト・ブリュット」で、ラインヘッ…

百年と一日(柴崎友香)★★★☆☆ 10/15読了

大根のない町で大根を育て大根の物語を考える人、屋上にある部屋ばかり探して住む男、周囲の開発がつづいても残り続けるラーメン屋「未来軒」、大型フェリーの発着がなくなり打ち捨てられた後リゾートホテルが建った埠頭で宇宙へ行く新型航空機を見る人々………

小さな演劇の大きさについて(佐々木敦)★★★☆☆ 10/13読了

日本演劇の「いま」と「ここ」 テン年代日本演劇シーンをつぶさに目撃してきた批評家・佐々木敦による、初の演劇批評集! 平田オリザ、岡田利規とチェルフィッチュやそれ以降の「言葉」と「身体」の挑戦、大舞台で先端的な表現を続けるケラリーノ・サンドロヴ…