Book

落日(湊かなえ)★★★☆☆ 2/20読了

新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。『笹塚町一家殺害事件』引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた。15年前に起きた、判決も確定しているこの事件を手がけたいという。笹塚…

歩道橋シネマ(恩田陸)★★★☆☆ 2/16読了

とあるたてこもり事件の不可解な証言を集めるうちに、戦慄の真相に辿り着いて…(「ありふれた事件」)。幼なじみのバレエダンサーとの再会を通じて才能がもたらす美と神秘と酷薄さに触れる「春の祭典」。密かに都市伝説となった歩道橋を訪れた「私」が記憶と、…

十二月の十日(ジョージ・ソーンダーズ)★★★☆☆ 2/14読了

愛する長女のために素敵な誕生パーティを開こうと格闘する父親(「センプリカ・ガール日記」)、人間モルモットとして感覚を増幅する薬を投与される若者たち(「スパイダーヘッドからの脱出」)、中世テーマパークで働き、薬の力で思考も語彙も騎士となる男(「わ…

罪と祈り(貫井徳郎)★★★☆☆ 2/6読了

元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。当初は事故と思われたが、側頭部に殴られた痕がみつかった。真面目で正義感溢れる辰司が、なぜ殺されたのか?息子の亮輔と幼馴染みで刑事の賢剛は、死の謎を追い、賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが…。隅田川で死…

間宵の母(歌野晶午)★★★☆☆ 1/31読了

小学三年生の詩穂と首江子は親友同士だったが、紗江子の母の再婚相手である若い義父と詩穂の母が失踪した。その日から紗江子の母の精神状態は普通ではなくなる。詩穂も父親から暴力を受けるようになり、児童養護施設に入れられてしまう。その後、二人は悪夢…

カッティング・エッジ(ジェフリー・ディーヴァー)★★★☆☆ 1/29読了

イタリアを舞台にした前作『ブラック・スクリーム』から一転、ニューヨークに跳梁する殺人者との対決を描く本書は、『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』の路線を引き継ぐ原点回帰の作品となりました。ダイヤへの妄執と婚約したカップルへの殺意を宣…

ひみつのしつもん(岸本佐知子)★★★☆☆ 1/21読了

大人気エッセイシリーズ、待望の3巻め! 頭くらくら、胸どきどき、腰がくがく、おどる言葉、はしる妄想、ゆがみだす世界は、なんだか愉快。 いっそうぼんやりとしかし軽やかに現実をはぐらかしていくキシモトさんの技の冴えを見よ! イラストは今回も、クラ…

Iの悲劇(米澤穂信)★★☆☆☆ 1/17読了

一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣。日々舞い込んでくる移住者たちのトラブルを、最終的に…

春原さんのリコーダー(東直子)★★★☆☆ 1/16読了

人気歌人で、作家としても活躍している東直子のデビュー歌集。代表歌「廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て」ほか、シンプルな言葉ながら一筋縄ではいかない独特の世界観が広がる347首。小林恭二、穂村弘、高野公彦らによる単行本刊行時…

キッドの運命(中島京子)★★★☆☆ 1/10読了

すぐそこにある未来は、こんな奇妙なものかもしれない。廃墟化した高層マンションの老人が消えるわけ、汎用型AIが人を超えた時に起こる異変、アグリビジネスがら逃れた種の行き先。『小さいおうち』『長いお別れ』の著者が贈る初の近未来小説。 宮部みゆきの…

約束された移動(小川洋子)★★★☆☆ 1/6読了

こうして書棚の秘密は私とB、二人だけのものになった―ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。Bからの無言の合図を受け取る客室係…。“移動する”六篇の物語。 小川洋子らしい不思議な話が詰まった短編集。相変わらず子ど…

どうしても生きてる(朝井リョウ)★★★☆☆ 1/4読了

死んでしまいたい、と思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(『健やかな論理』)。家庭、仕事、夢、過去、現在、未来。どこに向かって立てば、生きることに対して後ろめたくなくいられるのだろう。(『流転』)。あなたが見下してバ…

罪の轍(奥田英朗)★★★★☆ 12/26読了

昭和三十八年。北海道礼文島で暮らす漁師手伝いの青年、宇野寛治は、窃盗事件の捜査から逃れるために身ひとつで東京に向かう。東京に行きさえすれば、明るい未来が待っていると信じていたのだ。一方、警視庁捜査一課強行班係に所属する刑事・落合昌夫は、南…

さよならの儀式(宮部みゆき)★★☆☆☆ 12/19読了

親子の救済、老人の覚醒、30年前の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ、無差別殺傷事件の真相、別の人生の模索……淡く美しい希望が灯る。宮部みゆきの新境地、心ふるえる作品集。 宮部みゆきのSFを読みのは初めて。発想は面白くて、話も途中まで面白いも…

生命式(村田沙耶香)★★☆☆☆ 12/11読了

死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、著者自身がセレクトした脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集 冒頭の「生命式」を昼食を食べながら読んで「うぇ~」ってなってしまった。それ以降も村田沙耶香らしい作品で、常識を揺さぶ…

人間(又吉直樹)★★☆☆☆ 12/8読了

僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは?初の長編小説にして代表作、誕生!! 最初は駄目だなと思い、途中から割といいかもと思ったのだが、最後…

メインテーマは殺人(アンソニー・ホロヴィッツ)★★★☆☆ 12/3読了

自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は、自分が殺されると知っていたのか?作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる…。自…

小箱(小川洋子)★★★☆☆ 11/22読了

小箱の番人、歌でしか会話ができないバリトンさん、息子を失った従姉、遺髪で竪琴の弦をつくる元美容師…「おくりびと」たちは、孤独のさらに奥深くで冥福を祈っている。『ことり』以来7年ぶりの書下ろし長編小説。 まさに小川洋子的世界。誰かにどんどん翻訳…

べらぼうくん(万城目学)★★★☆☆ 11/15読了

「水たまりをのぞいたら、そこに映っていたのは青い空だった―」未来なんて誰にもわからないのだ。万城目ワールド誕生前夜を描く極上の青春記であり、深く静かに届けたい人生論ノート。 万城目学の受験失敗から作家デビューまでを振り返ったエッセイ。ほとん…

じゃじゃ馬にさせといて(松田青子)★★☆☆☆ 11/12読了

時代を切り拓く表現者たちが、世界にかけられた「呪い」を解いてくれる―「新しい女」がつくる作品に育まれた、注目の作家の日常とは?偏愛するドラマから、セレブの炎上事件が象徴するアメリカの今、ウィメンズ・マーチに参加して思うこと、カンヌ映画祭での…

犯人に告ぐ(3) 紅の影(雫井脩介)★★★☆☆ 11/8読了

依然として行方の分からない“大日本誘拐団”の主犯格“リップマン”こと淡野。神奈川県警特別捜査官の巻島史彦はネットテレビの特別番組に出演し、“リップマン”に向けて番組上での対話を呼びかける。だが、その背後で驚愕の取引が行われようとしていた!天才詐欺…

のっけから失礼します(三浦しをん)★★★☆☆ 11/4読了

雑誌「BAILA」での連載に、紀州パンダ紀行など、とっておきの書き下ろし5本を加えた「構想5年!」(著者談)の超大作(?)エッセイ集。 タクシーで運転手さんと繰り広げられる面白トーク、漫画や三代目J Soul Brothers への熱き想い、家族との心温まるエピソード……

とめどなく囁く(桐野夏生)★★★☆☆ 11/4読了

塩崎早樹は、相模湾を望む超高級分譲地「母衣山庭園住宅」の瀟洒な邸宅で、歳の離れた資産家の夫と暮らす。前妻を突然の病気で、前夫を海難事故で、互いに配偶者を亡くした者同士の再婚生活には、悔恨と愛情が入り混じる。そんなある日、早樹の携帯が鳴った…

某(川上弘美)★★★☆☆ 10/30読了

ある日突然この世に現れた某(ぼう)。 人間そっくりの形をしており、男女どちらにでも擬態できる。 お金もなく身分証明もないため、生きていくすべがなく途方にくれるが、病院に入院し治療の一環として人間になりすまし生活することを決める。 絵を描くのが好…

誰そ彼の殺人(小松亜由美)★★★☆☆ 10/26読了

仙台の国立大学・杜乃宮大学医学部法医学教室。解剖技官・梨木楓は、上司である若き准教授・今宮貴継とともに日夜、警察から運び込まれる身元や死因が不明の死体を解剖している。彼らが遭遇するのは、温泉旅館で不審死した編集者(「恙なき遺体」)、顔面を破…

短編画廊 絵から生まれた17の物語(ローレンス・ブロック他)★★★☆☆ 10/23読了

米国を代表する名画家、エドワード・ホッパー(1882‐1967)。作家ローレンス・ブロックは、ホッパーの作品は「絵の中に物語があること、その物語は語られるのを待っていること」を強く示唆していると語り、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついた。…

ばら色の京都 あま色の東京 『暮しの手帖』新編集長、大いにあわてる(澤田康彦)★★★☆☆ 10/20読了

50代で会社を辞めた育児主夫が『暮しの手帖』編集長に就任!?人生の転機をユーモラスに綴った、ほのぼのせつないエッセイ集! 元々、ゴールデンウィークの京都旅行に持っていこうかなと図書館にリクエストしたのが今頃になった。『暮しの手帖』の編集長が代わ…

カザアナ(森絵都)★★★☆☆ 10/17読了

平安の昔、石や虫など自然と通じ合う力を持った風穴たちが、女院八条院様と長閑に暮らしておりました。以来850年余。国の規制が強まり監視ドローン飛び交う空のもと、カザアナの女性に出会ったあの日から、中学生・里宇とその家族のささやかな冒険がはじまっ…

夏物語(川上未映子)★★★☆☆ 10/12読了

大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人で…

乳と卵(川上未映子)★★★☆☆ 10/6読了

第138回芥川賞・受賞作品。現代の樋口一葉の誕生! 初潮を迎える直前で無言を通す娘と、豊胸手術を受けようと上京してきた母親、そしてその妹である「わたし」が三ノ輪のアパートで過ごす三日間の物語。三人の登場人物の身体観と哲学的テーマが鮮やかに交錯し…