Book

乳と卵(川上未映子)★★★☆☆ 10/6読了

第138回芥川賞・受賞作品。現代の樋口一葉の誕生! 初潮を迎える直前で無言を通す娘と、豊胸手術を受けようと上京してきた母親、そしてその妹である「わたし」が三ノ輪のアパートで過ごす三日間の物語。三人の登場人物の身体観と哲学的テーマが鮮やかに交錯し…

あとは切手を、一枚貼るだけ(小川洋子、堀江敏幸)★★★★☆ 10/2読了

かつて愛し合い、今は離ればなれに生きる「私」と「ぼく」。失われた日記、優しいじゃんけん、湖上の会話…そして二人を隔てた、取りかえしのつかない出来事。14通の手紙に編み込まれた哀しい秘密にどこであなたは気づくでしょうか。届くはずのない光を綴る、…

犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼(雫井脩介)★★★☆☆ 9/24読了

警察、犯人、被害者家族―前代未聞の騙し合いが始まる!巧妙に仕組まれた“誘拐ビジネス”。神奈川県警を嘲笑うかのような闇の犯行に、異色の捜査官・巻島史彦警視が再び立ち向かう。累計135万部突破の大ヒット警察小説、待望の第2弾! 『犯人に告ぐ3』が出たの…

掃除婦のための手引き書(ルシア・ベルリン)★★★☆☆ 9/16読了

毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日…

ノーサイド・ゲーム(池井戸潤)★★★☆☆ 9/10読了

未来につながる、パスがある。大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。かつて強豪と…

ぼくと数学の旅に出よう―真理を追い求めた1万年の物語(ミカエル・ロネー)★★★☆☆ 9/7読了

学校では教わらないけど、数学の奥には、たくさんのエピソードが隠されている。数学はおよそ1万年前に生まれ、もともとは自由に世界を駆けめぐる野生のアイデアだった。そこから現代の形になるまで、どのような旅路をたどったのか。「0」「虚数」「無限(∞)」…

こうして誰もいなくなった(有栖川有栖)★★★☆☆ 9/3読了

あの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリに仕上げた表題作をはじめ、ラジオドラマ脚本として描かれ、小説としては世に出ていない掌編や、自殺志願者の恐怖と悔恨を描く傑作ホラー「劇的な幕切れ」、書店店長の名推理が…

化物蝋燭(木内昇)★★★☆☆ 8/24読了

なにかが、近づいてくる。気配が次第に濃くなっていく。名手が江戸の市井を舞台に描く、切なくはかない七つの奇譚。 怪談なのかと思ったら、そういうわけでもなかった。幽霊は出てくるんだけど、幽霊は別に怖くない。この世の生身の人間の方がよほど恐ろしい…

私たち異者は(スティーヴン・ミルハウザー)★★★☆☆ 8/20読了

通りすがりの男がいきなり平手打ちを食わせてくる事件が続発する「平手打ち」。いつのまにか町に現われ、急速に拡大していく大型店舗をめぐる「The Next Thing」。空から謎の物体が到来する「大気圏外空間からの侵入」。“異者”となった私と二人の女性との奇…

むらさきのスカートの女(今村夏子)★★★☆☆ 8/13読了

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し……。 前作の『父と私の桜尾通り商店街』はイマイチだったが、これは面白かった。芥…

ころべばいいのに(ヨシタケシンスケ)★★★☆☆ 8/12読了

発想えほん第4弾。きらいな人がいてもいいんじゃない!ヨシタケシンスケ流こころの処方箋。イヤな気持ちって、自分ではどうしようもないどしゃぶりの雨のようなもの。そんなときはね・・・! ネガティブ系な発想からスタートしている絵本。『思わず考えちゃう…

ノースライト(横山秀夫)★★★★☆ 8/10読了

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように…

思わず考えちゃう(ヨシタケシンスケ)★★☆☆☆ 8/9読了

電車で、カフェで、自分の家で。「ついつい考えすぎちゃう」ヨシタケ氏がスケッチと共に書きとめた、まじめーな事から、世にも下らぬ事まで。たとえば―。「仕事のピンチを乗り切るには?」「いわゆる男女の仲って、何?」「他人のストローの袋が気になる」「孤…

みらいめがね それでは息がつまるので(荻上チキ、ヨシタケシンスケ)★★★☆☆ 8/6読了

みらいめがねは世界の見方を広げるツールです。日常と、世の中から、呪いを解いていこうじゃないか。至極の二人がお届けする、新感覚エッセイ。 荻上チキの文章を読んだのは初めて。なんかあんまり印象に残らないな。ヨシタケシンスケのイラストは良かった。…

我らが少女A(高村薫)★★★★☆ 8/3読了

一人の少女がいた―合田雄一郎、痛恨の未解決事件。動き出す時間が世界の姿を変えていく。人びとの記憶の片々が織りなす物語の結晶。 久しぶりの高村薫。ちゃんと合田雄一郎が歳をとっている。一人の女性の殺害事件を機に12年前の未解決の老女の死亡事件がま…

ビビを見た!(大海 赫)★★★☆☆ 8/1読了

盲目の主人公ホタルに「7時間だけ見えるようにしてやろう」と言う声が聞こえた。ホタルの目が見えるようになると同時に、回りの人は光を失った。しかもホタルの住む町が正体不明の敵に襲われるとテレビ放送が始まった。人たちは町を脱出するための列車に乗り…

作家の人たち(倉知淳)★★☆☆☆ 7/23読了

押し売り作家、夢の印税生活、書評の世界、ラノベ編集者、文学賞選考会、生涯初版作家の最期…。可笑しくて、やがて切ない出版稼業―!? 東野圭吾の『歪笑小説』のような感じなのかなと思いながら読み始めたが、全然駄目だった。倉知淳の本は割と好きだっただけ…

拳銃使いの娘(ジョーダン・ハーパー)★★★☆☆ 7/18読了

【アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀新人賞、アレックス賞受賞】 11歳のポリーの前に、刑務所帰りの実の父親ネイトが突然現われた。獄中で凶悪なギャング組織を敵に回したネイトには、妻子ともども処刑命令が出ており、家族を救うため釈放されるや…

本にまつわる世界のことば(松田青子、他)★★☆☆☆ 7/13読了

本や読書と共に育まれてきた人々は独特のことばを作り出してきた。それらの表現は、ことばや本というものを新しい目で見るきっかけとなり、「ことばをめぐることば」の豊かさを知る機会を与えてくれる。本書では、各国の「本にまつわることば」を集め、現代…

夢見る帝国図書館(中島京子)★★★★☆ 7/13読了

「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」 作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったなら――資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司…

静かに、ねぇ、静かに(本谷有希子)★★★☆☆ 7/6読了

芥川賞受賞から2年、本谷有希子が描くSNS狂騒曲!海外旅行でインスタにアップする写真で"本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの"印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。SNSに頼…

アキラとあきら(池井戸潤)★★★☆☆ 7/5読了

零細工場の息子・山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向…

旅する本の雑誌(本の雑誌編集部)★★★☆☆ 6/30読了

Welcome to book-tourism! 旅先でついつい覗いてしまうのが本屋さんや古本屋さん……いやいやもう本を中心に旅行を考えている──そんな本好き、本屋好きに送る“ブック・ツーリズム"のガイドブックが登場。 エリア別2泊3日のおすすめコースからテーマ別コースな…

短篇集 こばなしけんたろう(小林賢太郎)★★★☆☆ 6/25読了

「小説幻冬」2016年11月号~2018年10月号に連載されたものを再構成。「くらしの七福神」「第二成人式」「覚えてはいけない国語」「素晴らしき新世界」「なぞの生物カジャラの飼いかた」「新生物カジャラの歴史と生態」「落花8分19秒」「砂場の少年について」…

究極の文字を求めて(松樟太郎)★★★☆☆ 6/19読了

中学生の頃、自分オリジナルの文字を作ることに熱中し、青春のページをムダに破り捨てた著者は考えた。 「あれから20年、いろいろな文字を知ったうえで今、究極の文字を作ろうとしたら、もっとすばらしい文字ができるのではないか?」 そんなバカな試みに全力…

肖像彫刻家(篠田節子)★★★☆☆ 6/18読了

人が生きてきた時間を封じ込める―それが、肖像彫刻。芸術の道を諦め、八ヶ岳山麓で銅像職人として再出発した正道。しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。亡き両親、高名な学者、最愛の恋人…周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めた…

伊丹十三選集 二 好きと嫌い(伊丹十三)★★★☆☆ 6/11読了

「自分の嫌いなものをあれこれ考えるのはとても愉しいことです」――物づくしの末に現れる、マヤカシとマニアワセを排し、正調を尊ぶ自在な精神。ユーモラスなイラスト、稀代の凝り性だった著者の面目躍如たる「伊丹十三の編集するページ」とあわせて楽しみた…

PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話(ローレンス・レビー)★★★☆☆ 6/5読了

ジョブズが自腹で支えていた赤字時代、『トイ・ストーリー』のメガヒット、株式公開、ディズニーによる買収…。小さなクリエイティブ集団をディズニーに並ぶ一大アニメーションスタジオに育てあげたファイナンス戦略。 外部の人が書いたノンフィクションでは…

父と私の桜尾通り商店街(今村夏子)★★☆☆☆ 6/1読了

桜尾通り商店街のはずれでパン屋を営む父と、娘の「私」。うまく立ち回ることができず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい…。平凡な日常は二転三転して…

箱の中の天皇(赤坂真理)★★★☆☆ 5/31読了

『東京プリズン』から6年。 発売前より各紙話題騒然、日本人の行方を問う衝撃の天皇小説。 「小説にしかできない切実な天皇論ーーおそるべき力業」『毎日新聞』と絶賛! 表題作の他に「大津波のあと」も収録されている。どちらも中編といった長さ。 『東京プ…