中継地にて-回送電車Ⅵ(堀江敏幸)★★★☆☆ 1/7読了

土に還る。天に昇る。大気中に消え去る。どのような消え方も、ここでは許容されるだろう(「中継地にて」より)。
さまざまな媒体の注文に応じて生み出された52篇の小さいけれど大きな世界。変わったことも、変わらないことも実感できる「回送電車」11年ぶりの発車オーライです。

大雑把に言うと、書評のような文章、いわゆるエッセイ、追悼文の3種類が含まれている。ただ、著者も書いているように、何を書こうと決めずに書くので、境界はゆるやかで曖昧だ。相変わらず、堀江敏幸を読んでいる間は、日常とは違う時間が流れる。