カーテンコール(筒井康隆)★★★☆☆ 3/17読了

巨匠、最後の挨拶(カーテンコール)は25篇もの怒濤的傑作掌篇小説集!
著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」(編集者「信じていません!」)。
筒井文学の主要登場人物が打ち揃う「プレイバック」をはじめ、巨匠がこれまで蓄積した技倆と思索の全てを注いだ、痙攣的笑い、恐怖とドタバタ、胸えぐる感涙、いつかの夢のごとき抒情などが横溢する圧倒的傑作掌篇小説集爆誕

面白いのもそうでもないのもあったけど、亡くなった息子が出てくる「川のほとり」は切なかったね。

ラガベラス アルケウス 2015

ラガベラスについて:
〜ワイン メーカー アベルより〜
私は生粋のバロッサ人です。この土地には2歳の時に引っ越してきました。初めて醸造所の香りを体験した頃でした。それはペンフォールズ、1975年ヴィンテージでした。
父は多くのヴィンテージ作りに貢献していたため、そのような文化が織り込まれた幼少期を持つことはとても幸運だったと思います。

実にその後、私の人生はユニークなワイン醸造方法をそれぞれ持つすばらしいワインメーカーたちを観察し、共に働くという恵まれた経験で満たされました。ペンフォールズでは”敬意と歴史“を、ロックフォードでは”芸術と伝統“を、クリス リングランドからは“知性と細部”を、チャーリー メルトンからは“ブドウの房と神秘”を、そしてギブソンでは“起源とバランス”について父から学び、ごく最近そしてとて重要なこと、“信念”をスピニフェックスのピートとマガリから学びました。

彼らからの励ましがなければ“ラガべラス”は未だにアイディア止まりであっただろうと思います。妻のエマと私は食事と一緒にワインを飲むことが好きで、特に気品があって好奇心をくすぐるようなワインを好んでいます。
私たちは南オーストラリアのバロッサ ヴァレーに住んでおり、ここが故郷です。私たちはこの土地の持つ良さの探求を楽しんでいます。その良さとは、現地で最も重大なチャレンジである“過度の日照”問題について常に意識しながらも、バラエティに富んだこの土地には若樹から古樹まで驚くほど多くの資源があるということです。

夕飯は、インスタレシピからトマチーエッグ。これレンズ豆入れても良かったな。今度そうしよう。
ワインはウィルトスで購入したオーストラリアワイン。品種はシラー77% マタロ13% グルナッシュ10%。思ったよりも色は薄めなんだけど、凝縮感がすごい。タンニンはあまりなくてまろやか。薄いんだけど濃いみたいな味わい(伝わらないな)。これは美味しかったなあ。こういうワインもあるんだなあ。

龍の墓(貫井徳郎)★★★☆☆ 3/15読了

貫井徳郎の新境地!
緻密にして大胆な仕掛け!
連続殺人の真相に驚愕する衝撃の傑作本格ミステリー!

VRゲーム内の連続殺人と現実世界での連続殺人がリンクしているという趣向は面白い。ただ、メイントリックは「なるほどな」とは思うけど、それ以上ではない。トリック一発のために一冊を費やすというのも大変な作業だなと思ってしまった。南条のキャラクターはちょっと面白かったけどね。

パッキパキ北京(綿矢りさ)★★★☆☆ 3/11読了

味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを。
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!
北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは……?
著者自身の中国滞在経験とその観察力が炸裂する、一気読み必至の“痛快フィールドワーク小説”!

最近、コロナ禍を描いた作品を続けて読んでいて気鬱気味だったのだが、またもやコロナ禍小説である。ところが、日本ではなく北京。しかも、主人公の女性がかなりぶっ飛んでいる。痛快で面白かったな。

続きと始まり(柴崎友香)★★★☆☆ 3/9読了

あれから何年経っただろう。あれからって、いつから? どのできごとから?
日本を襲った二つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日──。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。

2020年3月から2022年2月までの出来事が3人の登場人物によって描かれる。言わずもがなのコロナ禍である。1人は夫と子どもが2人いる女性でパートで働いている。1人は妻と子どもが1人いる男性で飲食店で働いている。もう1人は独身の女性でフリーのカメラマンをしている。ただでさえコロナ禍なのに、阪神・淡路大震災東日本大震災も絡めてきており、3人それぞれ生きづらさを感じている。正直、読むのが辛くてなかなか進まなかった。彼らが過ごしてきた時代は私が過ごしてきた時代であり、彼らの生きづらさは私の生きづらさでもある。物語として優れているとは思うけど、本を読むときくらい、もうちょっと日常生活とはかけ離れたものが読みたいと思ったのも事実だ。

ジェニファー・エ・ティボー フナンブル 2021

コトー・デュ・レイヨン出身の笑顔が素敵なティボーさんと、ブルターニュ出身のシャイなジェニファーさんはワイン学校で知り合い、ニュージーランドやオーストラリアなどでもワインを学んだ後フランスへ戻り、2016年よりワインを造りはじめました。最初は2ha借り、2018年にもう6ha借り、今では9haにまでなっているそうです。2020年は14,000本を醸造、2021年は遅霜で60~80%減少してしまったそう。ここ数年の気候変動は確実に影響しているそうです。畑は20~60才のものが中心で、2018年からビオに転換しています。シレックスの多い畑で、下はクレイ土壌、ミネラル感のすっきりのったトゥーレーヌらしいワインが造られます。SO2は基本添加せず、必要な時に多くて20mg/L入れています。まだまだ走り始めたばかりの二人ですが、ワインは人気で在庫は完売します。収穫前にお伺いした時、畑のブドウを食べさせてもらいましたが、素直に美味しいブドウでした。借りている畑の大家さんの地続きの同じ品種のブドウ(慣行農法)と味が全く違っていたのは驚きでした。手をかけて栽培し、美味しいブドウを造ることが一番大切なのだと再認識した旅となりました。
樹齢20~40年。垂直式プレスでダイレクトプレス、ステンレス発酵。残糖を残したまま瓶詰め、SO2無添加。(インポーター資料より)

夕飯は久しぶりにケンタッキー。ものすごく味が濃いけど、たまに食べたくなる。で、食べると、しばらくいいやとなるけど。
ワインはFikaで購入。エチケットがいいよな。ベリー系の香りなんだけど、味わいは結構ドライ。華やかだし、美味しかったな。