青年団第99回公演 こまばアゴラ劇場サヨナラ公演 『S高原から』

高原のサナトリウムで静養する人、
働く人、面会に訪れる人…。
静かな日常のさりげない会話の中にも、死は確実に存在する。
平田オリザが新たに見つめ直す「生と死」。

作・演出:平田オリザ
出演:島田曜蔵 大竹 直 村田牧子 井上みなみ 串尾一輝 中藤 奨 永山由里恵 南波 圭 吉田 庸 木村巴秋 南風盛もえ 和田華子 瀬戸ゆりか 田崎小春 松井壮大 山田遥野

アゴラ劇場閉館ということで、お別れを告げに行ってきた。サヨナラ公演にはいくつか演目があったが、私が選んだのは『S高原から』。「最も」かどうかは分からないが、青年団らしい芝居だと思う。
客入れの段階から役者が舞台上にいる、同時多発会話、役者が客席に背を向ける、などなど、これぞ青年団だよなあと懐かしかった。というのも、アゴラ劇場で青年団を観るのは、2017年の『南島俘虜記』以来だから。
やっぱりあの狭さが舞台上と客席の親密感を生むよな。最後の方では「ああ、もうアゴラ劇場で芝居を観るのもこれで最後なんだな」と思ってしんみりしてしまった。青年団の芝居もたくさん観たし、他の劇団の芝居もたくさん観た。「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ」かな。