風に立つ(柚月裕子)★★☆☆☆ 4/13読了

問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度ーー補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて……。家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!

南部鉄器の職人として親子で働いている孝雄と悟の家に補導委託で少年を預かることになった。孝雄には悟が知らない過去があり、少年にも非行に走ってしまった訳がある。それらが何なのかをもったいつけてなかなか明かさずにやたらに引っ張るのだが、分かってしまえばそれほど意外な話でもない。かなり拍子抜けしてしまった。『孤狼の血』や『盤上の向日葵』には遠く及ばないね。