雨の日も風の日も、雲ひとつない青空の日も、手に届かないものをずっと見あげていた――
季節の移ろいと響きあう、46の短い小説のような随想のつらなり。『正弦曲線』『戸惑う窓』に続く、著者独自の世界が広がる待望の散文集。
堀江敏幸のエッセイを読むと、自分がいかにものを識らないかを思い知らされる。取り上げられている本や作家はほとんど知らないもんな。それでも、文章が美しいので、読んでいると日常を忘れられるし、途中で何篇か続いた花の話はなかなか良かったね。
坂を見あげて (単行本) | |
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