Book

ナイフをひねれば(アンソニー・ホロヴィッツ)★★★☆☆ 11/18読了

著者ホロヴィッツが殺人容疑で逮捕される!? 〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊「われわれの契約は、これで終わりだ」探偵ホーソーンに、彼が主人公のミステリを書くのに耐えかねて、わたし、作家のホロヴィッツはこう告げた。その翌週、ロンドン…

恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ(川上弘美)★★★★☆ 11/11読了

小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。 カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、 半世紀ほどの後、東京で再会した。 積み重なった時間、経験、恋の思い出。 それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろってい…

コメンテーター(奥田英朗)★★★☆☆ 11/9読了

直木賞受賞、累計290万部の人気シリーズ17年ぶりに復活! 低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事…

真珠とダイヤモンド 上下(桐野夏生)★★★☆☆ 11/4読了

桐野夏生が描く「バブル」 実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編! 1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出てい…

千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話(済東鉄腸)★☆☆☆☆ 10/25読了

海外留学はおろか地元の千葉からもほとんど出ない引きこもりの映画オタクが、 ルーマニア語と運命的な出会いを果たし、一回も海外に行ったことがないままルーマニア文学史に名を残した話。 受験コンプレックス、鬱、クローン病。八方塞がりの苦しみから、ル…

我が手の太陽(石田夏穂)★★★☆☆ 10/22読了

第169回芥川賞候補作。 鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロスポーツ選手が陥る…

ドゥルガーの島(篠田節子)★★☆☆☆ 10/21読了

その女神の名を、唱えてはいけない――。民族史を覆す海底遺跡をめぐる海洋冒険譚! 長いし、説明が多すぎる。さすがにもうちょっと物語を前に進めてくれないと辛い。人物造形も浅い。インドネシアってそうなのかっていう興味深さはあったけど、小説としては残…

ピッツァ職人(井川直子)★★★☆☆ 10/19読了

「ピザ」しかなかった国で、 「ピッツァ」を焼く――本場ナポリの薫陶。 庶民のソウルフードを焼く誇り。 生地と窯に没頭する境地。職人たちの生き様に、12年越しで迫った、 圧巻のノンフィクション。 ピッツァが好きで昔からよく食べているが、ナポリピッツァ…

鈍色幻視行(恩田陸)★★☆☆☆ 10/10読了

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。 撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督…

うどん陣営の受難(津村記久子)★★★☆☆ 10/9読了

四年ごとに開かれる会社の代表選挙。一回目の投票は票が散らばったため、上位二名による決選投票が行われることになった。現体制は手堅い保守層から支持を集め、二番手につく候補は吸収合併した会社のプロパー社員のリストラ等過激なスローガンを掲げる。接…

小日向でお茶を(中島京子)★★★☆☆ 10/3読了

人気直木賞作家 中島京子初・グルメ、旅、自身の身の回りや体調の変化などについて、ユーモラスに語ったエッセイ集。 雑誌「ゆうゆう」に5年にわたり、2018年から連載された「羊のところへはもどれない」に加筆し、時系列に1冊にまとめた。 今年発売されたエ…

もっと悪い妻(桐野夏生)★★☆☆☆ 9/23読了

男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北! 夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。 すごい勢いで書いてるなと思ったら、これは大分力を抜いて書いてますね。図書館本なので、文句は…

墨のゆらめき(三浦しをん)★★★☆☆ 9/22読了

本作は新潮社(書籍)とAmazonのオーディブル(朗読)の共同企画で、全篇の朗読が先行して配信された後、書籍が刊行される、というものです。 数多くの作品が映画化、アニメ化、舞台化されている三浦しをんさんがこの共同企画のために書下ろした長篇小説とな…

講談放浪記(神田伯山)★★★☆☆ 9/16読了

伯山が名作講談の舞台となった場所を訪ねて、 講談の持つ物語としての魅力を紹介します。 また、他芸能・他ジャンルの城ともいうべき場所を訪ねて、 講談という芸能の未来について再考しています。 現場に行っての論考だからこその臨場感が迫ってきます。 落…

冬のUFO・夏の怪獣【新版】(クリハラタカシ)★★★★☆ 9/4読了

もしボクが神サマなら、この本を持っている人を先に救う。 ヨシタケシンスケ NHK「あさイチ」で絵本作家のヨシタケシンスケさんが、 大好きなおすすめの本として紹介したマンガが、 装いもあらたに【新版】となり新発売! 2015年に刊行した『冬のUFO・夏の怪…

本屋で待つ(佐藤友則・島田潤一郎)★★★☆☆ 9/2読了

町の人たちがなんでも相談にくる広島の山間の本屋「ウィー東城店」。地域の小売店の可能性と、そこで成長する若者たちの姿を描く。 広島の本屋「ウィー東城店」の佐藤友則さんの話を夏葉社の島田潤一郎さんがまとめたもの。赤字だった本屋を立て直そうとする…

江戸の暮らしと落語ことはじめ(三遊亭兼好)★★★☆☆ 9/1読了

落語を通して江戸の暮らしを感じる、落語ビギナーにおすすめの一冊。仕事、食、娯楽など6テーマごとに、古典落語55ネタと関連する言葉や当時の風俗・文化、歴史的雑学を紹介。時代背景を知れば落語はもっとおもしろくなる!義理人情や物の循環など、改めて見…

異能機関 上下(スティーヴン・キング)★★★☆☆ 8/29読了

異能の少年少女を拉致する謎の機関〈研究所〉。 彼らは子供たちの超能力を利用して何を企図しているのか。 冷酷なるくびきから逃れるため、少年は知恵をめぐらせる。 多少冗長なところはあるけれど、やっぱり終始読ませる。クライマックスシーンはちょっと微…

もりあがれ!タイダーン ヨシタケシンスケ対談集(ヨシタケシンスケ)★★★☆☆ 8/20読了

ヨシタケシンスケが会いたかった人気作家11名と対談した著者初の対談集。 芸術書のコレクションを披露しあったり、リスペクトする絵本作家のアトリエを訪ねたり。 対談後の感想「お話しして思ったこと」などユニークなイラストも数多く収録した豪華な内容。 …

ケチる貴方(石田夏穂)★★★☆☆ 8/13読了

「冷え性」と「脂肪吸引」。いま文学界が最も注目する才能が放つ身体性に根差した問題作! 第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と第38回大阪女性文芸賞受賞作を豪華同時収録。 『我が友、スミス』、『黄金比の縁』に続いて、3冊目。書いた順番的には、本…

永遠と横道世之介 上下(吉田修一)★★★☆☆ 8/11読了

39歳になったカメラマン・横道世之介が暮らすのは、東京郊外に建つ下宿「ドーミー吉祥寺の南」。元芸者の祖母が始めた下宿を切り盛りするあけみちゃん、最古参の元芸人の営業マン礼二さん、書店員の大福さん、大学生の谷尻くんらとゆるーっと暮らす毎日に、…

銀座に住むのはまだ早い(小野寺史宜)★★★☆☆ 8/5読了

ノー銀座、ノーライフ。銀座がないなら人生じゃない。 それほどに銀座が好きで、可能なら住みたいと思っている。 けれど。小金持ちですらない「僕」には難しい…。 それでも東京23区に住んでみたい。と、昔から思ってきた。 今も千葉県にある家賃5万円弱のワ…

青の国、うたの国(俵万智)★★★☆☆ 7/31読了

7年前、石垣島から宮崎県に移住した彼女。そこは青い海と青い空、そして「短歌」が愛されている土地だった。日向市出身の若山牧水が「樹は妙に草うるはしき靑の國 日向は夏の香にかをるかな」と詠んだように、宮崎は「青の国」であり、「うたの国」なのだ。…

答えは市役所3階に 2020心の相談室(辻堂ゆめ)★★★☆☆ 7/29読了

コロナ禍がもたらした、幾つもの「こんなはずじゃなかった」。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれるのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして、誰にも知られたくない秘密。あなたなりの答えを見つけられるよう、二人のカ…

黄金比の縁(石田夏穂)★★★★☆ 7/18読了

「会社の不利益になる人間を採る」 不当な辞令に憤る人事部採用チームの小野は、会社への密かな復讐を始める――。 (株)Kエンジニアリングの人事部で働く小野は、不当な辞令への恨みから、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う。彼女が導き出した選考方法は…

電車のなかで本を読む(島田潤一郎)★★★☆☆ 7/16読了

良いと思うものだけを刊行してきた、ひとり出版社・夏葉社の代表が、これまでに読んできたなかから、自分の体験をまじえつつ、珠玉の49冊を紹介します。著者は、鬱屈としていた20代、すがるように本を読みました。本のなかには、自分と同じように、思い通り…

ローズマリーのあまき香り(島田荘司)★★☆☆☆ 7/16読了

世界中で人気を博す、生きる伝説のバレリーナ・クレスパンが密室で殺された。 1977年10月、ニューヨークのバレエシアターで上演された「スカボロゥの祭り」で主役を務めたクレスパン。 警察の調べによると、彼女は2幕と3幕の間の休憩時間の最中に、専用の控…

ワイン知らず、マンガ知らず(エティエンヌ・ダヴォドー)★★★★★ 7/11読了

自然派ワインの巨匠と社会派バンド・デシネ作家、異質な二人の交流と発見を描く実録マンガ。フランスでは累計27万部を売り上げ、およそ14言語で翻訳出版された話題作が待望の邦訳化。 原題を直訳すると「無知なる者たち、交わる手ほどきの物語」となるそうだ…

黄色い家(川上未映子)★★★☆☆ 7/7読了

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初め…

方舟(夕木春央)★★★★☆ 6/29読了

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異…