PANCETTA special performance “un”@シアタートラム

新しい才能の発掘を目指す、“シアタートラム ネクスト・ジェネレーション”シリーズ・第13弾!
世田谷パブリックシアターによる、若い才能の発掘・育成のための事業“シアタートラム ネクスト・ジェネレーション”。
1年に1度、公募により選ばれた団体にシアタートラムでの上演機会を提供し、劇場がサポートを行います。これまで快快・FUKAIPRODUCE羽衣・ミナモザ・てがみ座・スズキ拓朗・泥棒対策ライト・悪い芝居など、現在演劇界で活躍中の多くの才能を輩出してきました。13回目となる今回は、PANCETTA(パンチェッタ)が登場します。個性ある空間性、言葉の世界を持ち、多方面から注目を集めるアーティスト・一宮周平が企画、脚本、演出を行うパフォーマンスユニットです。
今回上演する“un”は、科学の発達により人間が排泄行為を必要としなくなった近未来を描いた物語。演劇とコントのはざまをいく、ライトでシュールでユーモアのある世界にぜひご注目ください。

<あらすじ>
我々人類は長い時間をかけて進化してきた。移動手段を手に入れ、出会ったこともない人とコミュニケーションを取ることが出来、自在に栄養を摂取し、安全な住処を持ち…。更なる発展のため日々を消化しているとも言えよう。今現在も進化し続けているのである。これは、今からそう遠くはない未来、食事と排泄の概念がなくなった人々の話である。

【脚本・演出】一宮周平
【出演】佐藤竜 辻本耕志 中前夏来 原扶貴子 瞳 一宮周平

普段チケットを取る芝居は、ある程度どういった内容なのか分かっているのだが(そうでないと怖くて取れない)、今回は全く分からないけど取った。
初めてのユニットであり、作・演出の人のことも知らないのだが、辻本耕志と原扶貴子の出ている芝居は観たことがあるので、彼らが出ているのであれば何とかなるだろうとは思っていた。まあ、後は自分の勘にも賭けてみた。
舞台は山頂の遺跡という設定で、石段の頂きには個室(トイレ)がある。そこへ、ある目的を抱いた男女が登ってくるのだが、なぜか登場人物はみんな白いつなぎを着ている(これはこのユニットの流儀なんだろうか)。
辻本耕志は最後にやってくるのだが、彼が踊るように動いているとチンチクリン感がすごい(褒めてます)。そして、場が一気に「おかしみ」な空気に変わる。
かなり人を喰った荒唐無稽な脚本で、一歩間違えればものすごくつまらなくなりそうだったが、役者がみなさん達者だったので、荒唐無稽さに血が通っていた。
不条理に終わるのかと思えば、最後にはちゃんと落ちが付いていたのも面白かった。
それにしてもナンだったんだろうなこの芝居は。クセになりそうだな。

f:id:kane_katu:20201124011844j:plain