未来のサイズ(俵万智)★★★☆☆ 11/6読了

子どもを育てることは時代と社会に直面していくことだった。何気ない日常にこぼれ落ちる奇跡のような瞬間を切り取った歌の数々は、短歌という定型だからこそ獲得できた、三十一文字の箴言集ともいえる。未来への希望をつかんで放さない、俵万智の真髄がここに。

表紙と裏表紙に歌を載せてしまうという斬新な装丁。政治的な歌も結構多かった。

何一つ答えず答えたふりをする答弁という名の詭弁見つ
「天ぷらは和食ですよね」「繰り返し申し上げます。寿司が好きです」

子どもの歌で好きだったのがこの2首。この2首は表紙と裏表紙にも載っていた。

手伝ってくれる息子がいることの幸せ包む餃子の時間
最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て

一番好きなのはこれかなあ。

10センチ背丈伸びたる息子いてTシャツみんな新品の夏

最後の「新品の夏」にやられた。