芸劇eyes番外編vol.3『もしもし、こちら弱いい派 ─かそけき声を聴くために─』@東京芸術劇場 シアターイースト

~今回の企画について~
小さな水紋があちこちで自然発生するように、変化は複数の場所でほとんど同時に起きました。「弱さ」への評価です。勝った人が正しいという価値観のもと、強く、そのためには早く、大きく、多くと突き進んできたほころびが可視化されたこの10年、それとは異なるものへの気付きが広がっています。演劇でも数年前から「弱さ」の肯定を含んだ流れが生まれています。「弱さ=可哀想」ではなく、余白や愛嬌、知恵やしたたかさを味方に付けた表現を「弱いい派」と名付け、3団体を選びました。彼や彼女の声に、目を凝らし、耳を傾けてみてください。

徳永京子(企画コーディネーター)

参加団体・上演作品

いいへんじ
『薬をもらいにいく薬(序章)』
作・演出:中島梓

出演:飯尾朋花、小澤南穂子(以上、いいへんじ)、
遠藤雄斗、小見朋生(譜面絵画)、タナカエミ

声の出演:松浦みる(いいへんじ)、野木青依

音楽:野木青依、Vegetable Record

ウンゲツィーファ
Uber Boyz』

作・演出・出演:池田亮(ゆうめい)、金内健樹(盛夏火)、
金子鈴幸(コンプソンズ)、
黒澤多生(青年団)、中澤陽、
橋龍(ウンゲツィーファ)

音楽:額田大志(ヌトミック/東京塩麹

コトリ会議
『おみかんの明かり』
作・演出:山本正典

出演:牛嶋千佳、三ヶ日晩、原竹志、
まえかつと(以上、コトリ会議)

音源制作:佐藤武

協力:兵庫県立ピッコロ劇団

若い世代のショーケース形式での競演ということで、チケット代も比較的安かったし、新しい劇団発掘の意味でチケットを取ってみた。東京オリンピック開会式のこの日。池袋駅にはそこかしこに警察官が立っていて、劇場入り口では手荷物検査が行われた。
最初は「いいへんじ」。今回の上演の趣旨に沿った分かりやすい演目だった。次の「ウンゲツィーファ」は、かなりぶっ飛んだ内容。訳が分からないなりに面白かった。最後の「コトリ会議」は終始薄暗いなかでの演技で、内容も分かりづらかったので眠くなってしまった。
「いいへんじ」の芝居がやっぱり一番良かったな。特に、不安障害の女性の外出を手助けしようとする男性を演じた 遠藤雄斗が良かったね。「いいへんじ」の芝居はまた観てみたい。

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