勝てる試合だった。勝たなければならない試合だった。最後はテレビの前で立ち上がって応援していたが、一歩届かなかった。本当に残念だ。
序盤のジャパンのタックルは見事だった。かなり相手のノッコンを誘っていた。しかし、タッチを狙ったペナルティをノータッチにしてしまったのは頂けない。序盤早々のこのプレーのあとジャパンが反則を犯し、フィジーに先制のPGを決められてしまったのだ。「タラレバ」になるが、もしこのPGがなければ、最後の攻防は31-32の一点差となり、ペナルティをもらった場面でPGを決めていれば逆転サヨナラだったのだ。後半にも一度ペナルティからのキックがノータッチになっていた。こういうプレーは絶対にやってはいけないプレーなのだ。競った試合では余計に罪が重い。
それにしてもジャパンは攻撃のオプションが貧弱だった。清宮も言っていたが、プラン通りにキックするばかりで人が余っても勝負をしない。見ていてイライラした。もっとフォワードで勝負すればいいのに、バックスに回してはパスミスを繰り返していたのもイライラした。前半はもっと点が取れたはずだ。
ディフェンスも組織だっている時はかなりいいのだが、そうでないときに脆さを露呈した。敵陣22メートルのスクラムで8、9を失敗しただけで、独走トライを許してしまった時は呆れてしまった。
欠点を色々書き連ねてしまったが、ジャパンがよくやっていたからこその不満点なのだ。実際、ほとんどの時間試合を支配していたのはジャパンだった。矢富が負傷退場したのが本当に痛かった。あそこから流れがおかしくなってしまった。矢富が退場しなければきっと勝っていただろう。
最後はよく頑張ったのだが、もうみんなヘロヘロだった。足が動いていたのは小野沢くらいか。テレビの前で盛んにみんなを鼓舞し続けたが、トゥールーズまでは声が届かなかったようだ。あと3分みんなの足が動いてくれたらと思わずにはいられなかった。
ジャパンは非常にいい試合をしたのだが、やはり勝たなければ意味がない。普段のテストマッチからこれくらいシビれる試合を経験していないとワールドカップでの勝利は覚束ないのだろう。しかし、オフェンスはまだまだだが、短い時間でよくここまでディフェンスできるチームを作り上げたと思う。選手・スタッフには賛辞を送りたい。
正直、ベスト8への道は相当に厳しいが、あと2試合せめて一矢報いて欲しい。
日本代表vsフィジー代表(31-35)