私的読食録(角田光代、堀江敏幸)★★★☆☆ 6/1読了

たとえば、物語の中で少女が食べる「甘パン」。あるいは、殺し屋が飲む一杯の「珈琲」。小説、エッセイ、日記……と、作品に登場する様々な「食」を、二人の作家はあらゆる角度から食べ、味わい、読み尽くす。その言葉が届くとき、あなたの読書体験は、眼前の本の味は、まったく新しいものに変わる。読むことで味を知る、味を知ることで読みたくなる。すべての本好きに贈る、極上の散文集。

面白かったんだけど、ダァーッと一気に読むものじゃないね。雑誌に掲載されているものを月に一度読むのがやっぱりいいんだな。小説中の食事で言えば、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の終わりのほうで、主人公が女性とイタリアンレストランに入って、大量に注文してすべてを平らげていくシーンが忘れがたい。注文している段階から楽しそうなんだよな。