銀の夜(角田光代)★★★☆☆ 3/12読了

15歳で女子高生バンドを組んだ少女たちは35歳となった。夫の浮気を見過ごしてきた女。子供を通して自分を生き直す女。母親の呪縛から逃れられない女。「浮き輪に乗って漂っているような人生じゃなくて、自分の腕でがしがしと泳ぎたいじゃない」。生きる手応え、深い充実を求めてあがく女性たち。物語は私たちにそっと寄り添い、心震える感動のラストへと誘う。14年間埋もれていた傑作が今、光を浴びる。著者5年ぶりの長編小説。

てっきり新作だと思っていたら、14年間埋もれていた作品だった。あとがきを読むと、著者自身も忘れていたらしい。そんなことあるのかね。手を入れようと思ったが、今さら入れられないのでそのまま出したとのこと。読んでみると、確かにこれは直せないわ。30代半ばの女性3人の話で、まだガラケーを使っている時代。ありがちな話ではあるが、その3人が高校時代にバンドを組んでいたっていうのは珍しい。生きていれば色々あるけど「Life goes on」っていう感じの話で、私は嫌いではなかった。