半月ほど前に白仁田さんからメッセージが来た。白仁田さんはdecoにいたソムリエールで、deco時代にお世話になっている。その後、白仁田さんはレヴェランスに移ったが、私はレヴェランスには結局行かなかった。その白仁田さんが、新しいお店をオープンするということで連絡をくれたのだ。お店の名前は「au deco」で、シェフは掛川哲司さん。掛川さんは「Ata」のシェフで、「Ata」も行きたいと思いつつまだ行ったことがなかった。「アラカルト中心」の「伝統を大切にした全く新しいフランス料理」を「フランス熟成ワイン」と合わせるのがコンセプトのお店のようだ。
3月5日のオープン後の土曜日がたまたま妻と娘がとあるアーティストのライブに出掛ける日だったので、その日のディナーに伺うことにした。
「奇想の系譜展」後に上野から恵比寿へ。恵比寿から歩くとちょっとある(広尾の方が近いようだ)。テーブルもあるが、カウンター主体のお店でこじんまりとしている。約5年ぶりに会う白仁田さんは元気そうで何より。最初はグラスのシャンパーニュ。突き出しは姫ホタテ(撮る前に1つ食べちゃった)。
メニューにはアラカルトしか載っていなかったが、事前のメッセージではコースもあるとのことだったのでコースにしてもらった。メニューには載っていないので、言えば「コース仕立て」にしてくれるということなのかもしれない。
最初の料理はカスベのエチュベ。下はキャベツで上にはキャビア。ワインはグラスで合わせてもらった。グラスワインは白、赤3種類ずつくらいで、そのうち1つが古酒になると言っていた。
次は牡蠣のフラン。上にはまるごとの牡蠣と筍。ワインは別の白。
次はグリーンアスパラとモリーユ茸と仔牛のロニョン(なのかな?よく聞き取れなかった)。目の前で黒トリュフをたっぷり掛けてくれた。ワインはここで赤へ。ボルドーの2001年。とてもこなれていて、優しい味の料理にもよく合った。
そしてメインが毛蟹のパイ包みフォアグラ入り。これも、最後の仕上げはカウンターの目の前でやってくれた。毛蟹の身がびっしり入っていて実に贅沢な一品だった。合わせてくれたのが、ピエール・モレのブルゴーニュ・ブラン1999。これはセラーには入れずに常温で保存されていたもの。カスタードのような甘い香りがして、これがブルゴーニュ・ブランかと驚いた。きれいに熟成するとブルゴーニュ・ブランでもここまで美味しくなるんだねえ。足りなかったので、ローヌの白も頂いた。
デザートはアイスクリームと苺。
期せずしてなのか狙いなのか、キャビア、トリュフ、フォアグラの揃い踏みだった。
私は1人だったので、グラスで合わせてもらったが、周りの人たちは恐らくウン万円もするであろうブルゴーニュの古酒をボトルで開けていた。本来はそうやって楽しむお店なんだろうね。私にはとても無理だけど。
開店間もないということで、クレジットカードが使えなかったり、料理の提供にずいぶん時間が掛かったりしていたが、新しいスタッフも近々入ると言っていたし、しばらくすれば落ち着いてくるのでしょう。
初めて食べた掛川シェフの料理はとても美味しかった。今回は初訪問ということもあって、あまりリラックスできなかったけど、次に行くときにはもう少しリラックスして食べられるかな。
※3/12現在、クレジットカードは使えるようになったようです。