高い窓(レイモンド・チャンドラー)★★★☆☆ 5/27読了

私立探偵フィリップ・マーロウは、裕福な老女エリザベス・マードックから、出奔した義理の娘リンダを探してほしいと依頼された。老女は、亡き夫が遺した貴重な金貨をリンダが持ち逃げしたと固く信じていたが、エリザベスの息子レスリー、秘書のマールの振る舞いにもどこか裏がありそうな気配だ。マーロウは、リンダの女友だちや金貨の所在を尋ねてきた古銭商に当たるところから調査を始める。が、彼の行く手には脅迫と嘘、そして死体が待ち受けていた―『高い窓』の新訳版。

毎回思うことだが、村上春樹は相当チャンドラーに影響を受けていたんだなあということがよく分かる。村上訳なので、下手をすると、村上作品を読んでいるような気にもなってくる。ファンとしてはそれも嬉しいんだけど。
訳者あとがきにもある通り、この作品は他の長編に比べて、ドライブ感は薄れているが、ミステリーとして整合性は取れている。なので、ハードボイルドではなく、普通のミステリーファンの人も読みやすいんじゃないだろうか。
マーロウの気の利いたセリフややり取りも健在で、そこもしっかり楽しめた。

高い窓

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