たたかうソムリエ(角野史比古)★★★★★ 8/5読了

嗅覚と味覚、知識と精神力の限界を挑み、最上のサービスを供して栄冠を掴むのは誰か?世界最高峰の大会(2010年チリ)に密着、迫真のドキュメンタリー。

この本は実に面白かった。著者がテレビマンなので構成が上手くて、誰が決勝に残るのか、そして誰が優勝するのか、ハラハラドキドキした。
基本的にはアジア・オセアニア代表として出場している森覚に密着しているのだが、他の有力選手たちにも取材しているので、色々な人たちに感情移入することができる。
「世界最優秀ソムリエコンクール」のことは漠然としか知らなかったのだが、この本を読んでかなり過酷なコンクールであることが分かった。筆記試験も相当の難問が出るようだし、実技試験も時間制限が厳しくて、最後までやり切れない人も続出していた。しかも、わざと意地悪なトラップが仕掛けられていたりもする。
優勝した人が表彰式で壇上に妻と子どもを呼んで、「妻のサポートなしにはここまで来ることはできなかった。真のソムリエ世界チャンピオンは私の妻です」と言ったスピーチには感動した。
私はワインが好きなのでとても興味深く読んだが、途中途中にコラム等が挟まれているし、それほどワインどっぷりな人じゃなくても十分に楽しめると思う。

たたかうソムリエ - 世界最優秀ソムリエコンクール

たたかうソムリエ - 世界最優秀ソムリエコンクール