夏の嘘(ベルンハルト・シュリンク)★★★☆☆ 8/2読了

シーズンオフのリゾート地で出会った男女。人里離れた場所に住む人気女性作家とのその夫。連れ立って音楽フェスティバルに出かける父と息子。死を意識し始めた老女と、かつての恋人―。ふとしたはずみに小さな嘘が明らかになるとき、秘められた思いがあふれ出し、人と人との関係ががらりと様相を変える。ベストセラー『朗読者』の著者による10年ぶりの短篇集。

静かに心に染み入る上質な短篇集でした。
人間は1つの人生しか生きられない。人生の岐路で、2つある選択肢からどちらを選んだらよいのか迷う男(「シーズンオフ」)、また、過去の選択で別の方を選んでいたらどうなっていたのかを考える老女(「南への旅」)。
冒頭の「シーズンオフ」と最後の「南への旅」が特に良かった。
装画と装丁も素晴らしい。