男と女 (沢木耕太郎ノンフィクション6)(沢木耕太郎)★★★☆☆ 3/29読了

静かに強く響く生と死の哀しみ。記憶に生きる人を追想する『檀』『無名』ほかを収録。

随分前に買っておいてそのままになっていたものをようやく読んだ。『檀』と『無名』という、それぞれ独立した単行本でも刊行されたものが収録されているのでかなりのボリュームがある。
「鬼火」、「天才との出会いと別れ」という2篇も含まれており、これは「檀」の後日談のような小篇だ。
「檀」と「無名」ともに読み応えがあった。この2作がなぜ一緒に収録されているかは、巻末の書き下ろしストーリーである「夜の野菜畑」を読むと判る。「ナインメモリーズ」と題されたこの巻末の書き下ろしもただのオマケではなく、きちんとした読み物になっている。