焼き鳥でワイン

パルコでの「志の輔らくご」を妻と観に行くためにYukaを妻の実家に預けた。実はそのために妻は金曜日に有休を取ったのだが、二泊するのは面倒くさいと言って、高島屋に出掛けて洋服をしこたま買っていた。というわけで、妻はこの日の朝に実家に向かい、私は渋谷へ「それでもボクはやってない」を観に行った。初日初回なので混雑も覚悟していたが、アミューズCQNはあまり混んでいなかった。
1時にGAPで妻と待ち合わせ、昼食を食べにイドロパットへ。前にも書いたことがあるが、ここはベルギービールの専門店だ。ランチドリンクの選択肢の中に白ビールが入っている。妻はパスタ、私はサンドイッチ(付け合わせのフライドポテトがかなり量があり、しかもこれが美味い)を注文し、飲み物はもちろんビールだ。食後妻がデザートを食べたいと言い出したので、メニューをもらうが、この時間バニラアイスと焼きリンゴのバニラアイス添えしかいない。しかもこの2つの値段が同じと来れば焼きリンゴにするに決まっている。一緒に、妻が紅茶、私がコーヒーを頼んだ。ランチ食べて、ビール飲んで、焼きリンゴ食べて、コーヒー飲んでで2人で3,200円。ということは、一人1,600円。これは安いよ。あと、ここのウェイトレスのうち髪の長いほうの子はちょっとBOAに似ていて可愛いかったなw。妻の前ではそういうことは言わないけど。
2時の開演ギリギリでパルコ劇場へ。もちろん満席である。去年観に来たときは永六輔を見かけたけど、今年は有名人は見かけなかった(いたのかもしれないけど)。
夕食は銀座の焼き鳥屋なので、早めに銀座に行ってブラブラしていた。予約の6時が近づいたので、覚えておいた場所に行くのだが店が見つからない。結局店に電話して教えてもらった。ビルの4階なので、上ばかり見ていたのが、上には看板が出ておらず、下に出ていたのだ。すぐ近くまで来ていたのに気付かなかった。店の名前は「炭火串焼 銀座 荻」である。
エレベーターで4階に行くと黒いドアがあって、そこがお店である。中に入ると、これが狭い。4人テーブルが3つとカウンターが6席しかない。ぐるなびのページにも18席と書いてあるのに、勝手にもっと広いと思い込んでいた。席はカウンターの手前側、4人分と2人分に折れ曲がっているカウンターの2人の方である。厨房というか焼き場では坊主頭の男性が一人で焼き鳥を焼いている。その他にウェイターが2人いる。まあ、この狭さなら3人いれば十分だろう。料理は事前に「土曜日ご予約限定 満足コース」を予約しておいたので、ワインを選ぶ。『神の雫 7巻』では焼き鳥に合うワインとして、「ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス・コート・デュ・ローヌ 2003」が取り上げられていた。それは帰ってから知ったのだが、もともと焼き鳥ならローヌかなと思っていたので、「コート・デュ・ローヌ・モン・クール 2004 ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション」にした。ローヌのワインがこれしかなかったのと、このワインが他に比べて比較的安かったからというのもある。フランスの赤は軒並み高かったね。6千円台はこのモン・クールとシュブロのマランジェしかなかった。あとは1万円を超える。「ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション」って何かで見たなと思い、帰ってから確認すると、『名ソムリエの、おうちワイン』で2003年のものが取り上げられていた。焼き鳥に負けない、しっかりとしたボディを持つワインだった。

お店では写真は撮らなかったので、これは楽天のあるお店に掲載の写真。

ワインのボトルを開けると、ウェイターがテイスティング用のグラスに少量入れて、焼いている人(すなわち店長だろう)に渡して確認してもらってからお客に注いでいた。ちなみにこの店は最後までウェイターがワインを注いでくれる。
さて、料理の説明だが、まず各種野菜のピクルスが付き出しで出てくる。その後の串は順を追って説明しよう。
串1−つくね:これは結構名物らしい。こんなにやわらかいつくねは初めてだった。
串2−レバー:外はカリッとしているが、中がこれまたやわらかい。レバーの嫌いな妻もこれならいくらでも食べられると言っていた。
串3−ポーク:そのまま食べても美味しいのだが、フランスのゲランドの塩をかけて食べてみて下さいといって塩を渡された。これが宝石入れのようなものに入っている。これをかけて食べると美味さ倍増だった。
串4−とり:ようやく普通の焼き鳥だが、塩加減が良くて、肉も厚い。
串5−ラム:これにはなんとブルーチーズを溶かしたものが付いてくる。ラムの臭みをこれで緩和しようということなのだろう。ラムにブルーチーズが絶妙の組み合わせだった。唸りましたよ私は。
串5−トマト巻き:トマトの周りにベーコンを巻いたもの。熱いから気を付けるようにと事前に言われた。これがまた美味かった。ずっと肉だったので、トマトの酸味が心地よかった。
串6−イベリコ黒豚:これがまた肉厚でボリューム満点だった。肉食ってる〜って感じ。
串7−手羽先:骨の継ぎ目のところを挟みで切ってくれるので、骨を開くと、骨と骨の間の肉も食べやすかった。
串7−焼きおにぎり:おにぎりと言っても三角形ではなく、ご飯をつくねのようにした串である。海苔がたっぷりかかっていた。
デザート:本来は焼きアイスクリームであり、密かにそれを楽しみにしていたのだが、鶏インフルエンザの影響で卵の使用を自粛しているということで、カシスのシャーベットになってしまった。これはちょっと残念だった。

私のそれほど多くない焼き鳥体験の中ではこの店が一番美味い。絶品と言ってもいい。ただ、コースの中には野菜がトマトしかなかったのが難点か。結構肉が油っぽいのでサラダとかが欲しくなる。最初だからコースにしたけど、今度行くときは適宜野菜とかも織り交ぜてお好みで注文する方がいいかもしれない。ワインもフランスのワインは高いので、オーストラリアワインに挑戦してみるという手もあるな。ウェイターの接客態度もいいし、串焼きは美味いし、こぢんまりとしたいい店だったな。