パルコでの観劇後のディナー。最初は「deco」に電話したのだが、お盆休みだった。というわけで、シノワに電話したら空席があった。一人なので、もちろんカウンター。テーブル席もいくつか空いていた。
シノワ系列には「アフター・シアター・シャンパーニュ」というのがあって、芝居の半券を見せるとシャンパーニュが一杯サービスになる。いつかこれをやりたいと思っていたのだ。
というわけで、シャンパーニュを飲みながら料理を考える。軽くアラカルトにしようかとも思ったのだが、結局は一番安いプリフィクスのコース(4,200円)にした。前菜、主菜、デザート、ドリンクの構成で、前菜と主菜は数種類から選べる。前菜は秋刀魚のポワレとゴーヤのポテト詰めにして、主菜はニュージーランド産仔羊と石川芋のロースト 谷中生姜風味にした。
前菜の前にはちょこっとしたアミューズも出た。これはシャンパーニュによく合った。パンも2種類出る。
前菜のところでグラスの白へ。何本か並べてもらった中からオーストリアの「シュロス ゴベルスブルク グリューナー ヴェルトリーナー シュタインセッツ」をチョイス。そういえば、先日のクヨールでもオーストリアだったな。
このワインがなかなか美味しかった。スッキリしてるんだけど厚みもあってほのかに甘みも感じる。ゴーヤが苦かったので、この甘みがちょうど合った。秋刀魚も美味しかったな。
このワインを飲み終わったところで、別のソムリエから、オーストリアつながりでこちらもどうですかと「ハイディ・シュレック」を一杯ご馳走になった。なんでも『トカイ』の主要品種として有名なフルミントという品種で作られたワインだそうで、なかなか珍しいワインのようだ。これも美味しかったな。
メインの前にグラスの赤へ。メインが仔羊なので、ブルゴーニュではなく少し濃いめにした。店の人と色々相談して、ボルドーとローヌを半分ずつ注いでもらうことにした。ボルドーが「AOCマルゴー・ブラゾン・ディッサン」で、ローヌが「スール・アン・セーヌ テール・ド・ヴィエナエ」。前者はカベルネとメルローのブレンドで後者はシラー。ボルドーはあまり得意ではないのだが、これはタンニンがこなれていて飲みやすかった。ローヌの方はしっかりとしていながら酸が伸びて肉に合いそうだった。
少し時間が掛かって主菜の登場。そのボリュームに一瞬息をのんだ。ただ、肉が柔らかいのとソースがあっさりしているので、どんどん食べられる。石川芋のネットリ感や谷中生姜もいいアクセントになっていた。ワインはどちらか一杯であればローヌのシラーの方が合うと思うが、ボルドーも飲むことによって変化を楽しめた。それにしても、「肉」を食べた感満載の一皿だった。
デザートも数種類の中から「沖縄マンゴーのパフェ グァバソルベ添え」にした。もう細かく書くの疲れたが、これが絶品の美味しさだった。一人でこんなに美味しいもの食べちゃって申し訳ないと後ろめたくなった。
ドリンクはエスプレッソ。小菓子も付いた。小さなアミューズから始まってドリンクと小菓子まで、この構成と内容で4,200円は安いね。コースにして正解だった。カウンターで一人だったけど、ソムリエールが相手をしてくれたので退屈しなかった。色々なワインを飲めたので、また経験値が少し上がったかな。オーストリアのワインは近いうちに自分でも買ってみよう。