マスカレード・ゲーム(東野圭吾)★★★☆☆ 8/30読了

解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件。
共通点はその殺害方法と、被害者はみな過去に人を死なせた者であることだった。
捜査を進めると、その被害者たちを憎む過去の事件における遺族らが、ホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明。
警部となった新田浩介は、複雑な思いを抱えながら再び潜入捜査を開始する――。

アイディア一発で長編を引っ張るのもさすがと思ったが、やはり一発のアイディアなので、中身は薄まってしまう。その分、色々な人物を出して、変化を付けるのだが、やはり薄味は否めない。罪の重さと刑の重さが釣り合っていないという結構深刻な問題も取り扱っていたが、エンタメとして面白く読ませるところは相変わらず上手いと思う。

女子日本代表 vs 女子アイルランド代表@秩父宮ラグビー場

根津駅から表参道で乗り換えて外苑前へ。19時キックオフの女子日本代表 vs 女子アイルランド代表のチケットも取っていたのだ。Amilasでちょっと長居したので、19:10頃に秩父宮ラグビー場に到着。調べたら、秩父宮に来るのは2018年以来4年ぶりだった。
深く考えずにメインスタンドの神宮球場側に行ったら、ちょうど日本がそちらに攻めるエンドだった。メインスタンドの中央部分だけ指定席でメインスタンドの両サイドおよびバックスタンドは全部自由席である。もっと空いているかと思ったら、メインスタンドは結構まんべんなく入っていた。一週間前のエコパでは完敗した日本代表だが、この日は違っていた。前半は12-5とリードして折り返した。特に前半34分のサインプレーからの松田凜日のトライは見事だったね。ハーフタイムでは女子のレジェンドたちへのキャップの授与式があった。女子はキャップをもらえてなかったことを今更ながらに知った。
後半は伊藤忠側に席を移動。自由席はこういうときいいね。後半も日本ペース。ハイライトは後半15分のやはり松田凜日のトライ。左サイド、ハーフウェイラインあたりでワンバウンドのマイナスパスをもらうと瞬時に加速して一人目をハンドオフで飛ばす。そのままライン際を快走して、もうひとり来たディフェンダーもハンドオフで飛ばして自らトライ。父親である松田努を彷彿とさせる大きなストライドとステップ、いいものを観ました。来て良かった。
その後も日本は加点して、最終的には29-15でアイルランド戦初勝利。歴史的勝利と言ってもいいでしょう。10月開幕のワールドカップが俄然楽しみになってきた。その後入ってきた報では、9/24にニュージーランドともテストマッチが組まれた。これも日本代表が強くなった1つの証でしょう。楽しみだな。

Amilas/アミラス(ディナー)

王子から南北線に乗って、東大前で降りる。そこから根津神社を通って、往来堂書店へ。途中のベーカリーミウラはまた休み(夏休み)だった。
往来堂書店では『たびたびの旅』(安西水丸)を購入。これはどこかに旅行に行くときに持って行きたい。
そこから歩いてAmilasへ。以前に来たときにはCiseに行ったので、ようやくのAmilasである。その前に根津のパンも行ってみたが、ここも夏休みだった。
根津駅のすぐそばの建物の2階にある。カウンターが6席くらい、テーブルが1つか2つの小さなワインバーで、女性店主が1人で切り盛りしている。16:30の入店で、カウンターに男性2人、女性が1人いた。カウンターの奥から2番目の席に座った。席間にはアクリル板が置かれている。
最初は泡を頂いて、突き出しは鶏ハムのハリッサ添え。後で作り方を訊いたら、低温調理器を使っているとのこと。

ワインバーなので、しっかりした食事メニューはなく、おつまみ系が多い。最初は無難に盛り合わせを注文。ツルムラサキのおひたし、キャロットラペ、鴨、トマトのピクルス。ワインはグラスで半量ずつ出してもらった。グラスワインの種類が多いところが、私がこのお店に来たかった理由である。



食べ物がなくなってしまったので、鮭の南蛮漬けを追加。そしてロゼワイン

赤も飲みたかったので、鴨とチーズも追加。



最後はドルチェワインとエスプレッソ。途中でお客さんがみんな帰ってしまって1人になったので、お店の人とも色々話せた。以前にイタリアンのお店にいたので、イタリアワインが多いそうだ。

ワインもたっぷり飲んで、後は帰るだけ、ではなくて、この日はまだ続きがあるのだ。

映像演劇『ニュー・イリュージョン』@王子小劇場

現実か虚構か。現在か過去か。存在か不在か。映像か演劇か。あるいはまだ見ぬ何かか——。

作・演出 岡田利規
映像 山田晋平
出演 足立智充、椎橋綾那、 Jeong Jung-yeop

早稲田から都電に乗って王子まで。王子での観劇の予定があったので、村上春樹ライブラリーにも行ってみたのだ。都電に乗るのは随分久しぶり。なかなかいいね。
「映像演劇」とは何かに興味があってチケットを取ってみた。生身の人間と映像内の人物が絡むのか?などと最初は思っていたが、1日4公演とかあるのを見て、これは映像だけなんだなと分かった。
王子小劇場は初めて。地下にあり、かなり狭い(分かっていたけど)。舞台上には大きな長方形のパネルが2つ、少し離して立ててある。ここに映像が投影されるのだ。俳優はほぼ等身大で投影され、パネルの間を移動しているときには見えなくなる。俳優の他にもうひとりギターを演奏する人がいる。ずっと演奏しているわけではなく、演奏していないときは引っ込んでいる。
始まって10分くらいで眠くなってしまい、その後はずっと睡魔との闘いだった。舞台上はずっと薄暗いし、俳優は意味のありそうでなさそうなことをずっと喋っているし、音楽がまた眠気を誘う。
「映像演劇」的意義にハッとさせられる瞬間があるのかもと思って観ていたが、残念ながらそういうものは感じられなかった。おそらく私の感度が低いのだろう。生身の人間が演じている普通の芝居で舞台上の役者と目が合ってしまうと、気まずくなって目をそらしてしまうのだが、映像演劇の場合は目が合ってもそらさずに見つめ続けることはできる(映像演劇の役者は往々にしてカメラ目線だった)。ただ、ずっとカメラ目線を見つめ続けていると、何となく気まずくもなってくる。これが映像演劇的イリュージョンの一端なのかもしれないとちょっと思った。それも後から思ったことで、その場はとにかく眠くて仕方がなかった。

橙子猫 - Orange Cat -(ランチ)

村上春樹ライブラリーの地下にあり、ここはライブラリーの予約者じゃなくても入れる。実はカフェだけではなく、地下部分は予約者じゃなくても入れるそうだ。地下部分にある本はカフェで読むことができる。
普通にお昼ごはんを食べようと思っていたので、ドライカレーにしようとしたら、30分くらい掛かると言う(ご飯が炊けてない?)ので、たらこスパゲティにした。セットでアイスコーヒー。小さめのテーブルが埋まっていたので、奥の大テーブルに1人で座った。本は大判の自然派ワインの本をお供にした。こういう大きな本は立ち読みしにくいので、ちょうど良かった。スパゲッティとコーヒーの味は普通。ドーナツも売っていたけど、ちょっと高かったので食べなかった。

村上春樹ライブラリー

いつか行きたいとは思っていて、他の予定と合わせると都合が良かったこの日に予約できたので行ってきた。時間帯で入れる人数を決めているので混雑するということがなく、ゆっくりじっくり見られる。1階が常設展示で、2階が企画展示のようだった。その企画展示は「ジャズと小説」。ピーター・キャットの木製のコースターは渋かったな。1階は国内外で出版された村上春樹の小説が展示されているが、国内のものはほとんど持っているので、それほど見るべきところはない。1階から地階へ降りる例の印象的な階段本棚には村上春樹の本だけではなく、関連する本がかなり展示されており、自由に読むことができる。ところどころに返却箱もあるので、元に戻さなくてもそこに戻しておけばよい。
薄々そうじゃないかと思っていたが、それほど大した展示ではないので、ゆっくり見ても時間が余る。だから一通り見た後は、1階のオーディオルームでいい音のジャズを聞きながら『夜のくもざる』を読んでいた。久しぶりの再読なので色々忘れている。「こてー言うて猿が落ちたんや」という話が「夜のくもざる」かと思っていたら、これは「ことわざ」って話だったんだね。時間ギリギリまでソファで本を読んでいたら、5分前くらいに係の女性に「そろそろ時間です」と言われてしまった。大丈夫分かってますよ、と思いながら入館証を受付に返してから地階のカフェに向かった。





カンティーナ マリリーナ キュエ モスカート 2020

12~14時間のマセレーション。やや濃い黄金色のオレンジワイン。黄桃を中心としたモスカートらしいジャスミンやムスクなどのオリエンタルで華やかな香り。また緑茶の様なニュアンスを感じます。味わいは穏やかな酸、ややボリューム感のあるバランスの取れた辛口。後味に果皮からの心地よいタンニンをわずかに感じます。酒質に不安定な要素はなく非常に健全で、3日目以降も楽しめるワインです。ベトナム料理や中華料理とも相性の良いワインです。

娘がいなかったので、夕飯はヨーカドーの惣菜と前日の残り。
ワインはトスカニーで購入のこちら。これも飲みやすい系のオレンジワインで、美味しかった。