東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは?
地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園”小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。
最初はなかなか入り込めなかったけど、事件が起きるにつれページを繰るスピードも増していった。ミステリーとしては、まあまずまずでしょうか。消防団員の勘介が「ホタルを見に行こう」とか「ハチを取りに行こう」と主人公を誘いに来るところが小学生のようで面白かった。