消滅(恩田陸)★★★☆☆ 1/7読了

202X年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。超巨大台風の接近のため離着陸は混乱、さらには通信障害が発生。そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こす人物がいるというのだ。世間から孤絶した空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。

空港の入国審査で止められ、別室に連れて行かれた11人。この中にテロリストがいると告げられ、あなたたちが協力してそのテロリストを特定せよと言われる。パスポートは取り上げられているし、通信障害が発生していて外部との通信は不能、しかも巨大台風接近のため、空港は陸の孤島と化している。本格ミステリで言うところの「嵐の山荘」状態である。よくあるシチュエーションではあるが、近未来的な要素があったり、ファンタジー的な要素もあったりして従来作品とは一線を画している。テロリストは誰なのか、最終的にはどう決着するのかが気になるので、ページを繰る手は勢い速くなる。ただ、結末に意外性はあったが、肩透かしの感も否めないかなあ。それでも全体的には十分に面白かった。

消滅 - VANISHING POINT
消滅 - VANISHING POINT恩田 陸

中央公論新社 2015-09-24
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