熊と踊れ（上）（アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ）3/18読了
凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセント三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった―。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが…。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。
スウェーデンを震撼させた実際の銀行強盗事件をモデルにした小説ということで、銀行強盗の描写はかなり迫力があるのだが、実はその銀行強盗を犯した兄弟たちの話こそ、この小説の読みどころである。銀行強盗を犯していく「今」の話と、暴力的な父に育てられてきた３兄弟の子供時代である「昔」の話が交互に描かれる。そこに、犯人である兄弟たちを追い詰めていく刑事の、やはり「今」と「昔」の話が絡んでいき、重厚な物語を形成している。ずっしり読み応えのある小説だったね。
| 熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫) | |
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