ブロッコリー・レボリューション(岡田利規)★★★☆☆ 8/17読了

泣いているのはたぶん、自分の無力さに対してだと思う。演劇界の気鋭が描くこの世界を生きるわたしたちの姿。15年ぶり待望の小説集。

独特の文体が最初は気持ち悪いのだが、だんだんと癖になる。チェルフィッチュの芝居のように、当事者が本人のことを語るのではなくて、別の人のことを語る構造になっている。「黄金期」という短編は横浜駅の中央通路が舞台で、私も利用しているので状況がよく分かる。かねてより、横浜駅中央通路は日本で一番歩きにくい場所だと思っていたので、我が意を得たりの感があった。