エンシア(ディナー)

ブルータスのグルマン温故知新で知ったお店。フレンチとパティスリーが融合している珍しい形態。お店は一見パティスリーなのだが、奥にカウンターのレストランがある。17:30過ぎの入店で、先客は一組だった。カウンターの後ろにシックなロッカーがあって、そこに荷物やコートを入れるようになっている。さらに、席には引き出しが付いていて、そこに入っているカトラリーを自分で並べるシステムになっている。ナイフやフォークだけではなく、お箸も用意されていた。

料理は9,000円のコース1本で、ドリンク4杯付きというのが珍しい。最初の1杯はスパークリングにしたのだが、数種類のグラスから選ばせてくれたのが面白かった。メニューに載っていない突き出しとして、白子と牡蠣。白子は温かくて、牡蠣は冷たい。ごく少量の突き出しなんだけど、どちらも美味しかった。

f:id:kane_katu:20220116215344j:plainf:id:kane_katu:20220116215347j:plain

アミューズは「8種野菜の濃厚ポタージュ」。自家製パンは、小さなフランスパンとフォカッチャ。これに無塩バターとホイップバターが付くのだが、このホイップバターがめちゃうまだった。パンはおかわりもできる。

f:id:kane_katu:20220116215351j:plainf:id:kane_katu:20220116215354j:plain

前菜が「平目と甘エビのカルパッチョ 燻製の香り」で温前菜が「焼きリゾットとあんこうのロースト コンソメスープを注いで」。どちらも手が込んでいるし、とても美味しかった。

f:id:kane_katu:20220116215357j:plainf:id:kane_katu:20220116215401j:plain

魚と肉はプラス料金の料理も選べるのだが、初めてだったので、プラスなしのノーマルメニューにした。魚が「真ダラのロースト しょうが風味のクリームソース」で、肉が「シャラン鴨胸肉ソテーとコンフィーサラダ」。魚の付け合せにはアサリを巻いた白菜が付く。肉の付け合せは、長ネギの上にコンフィーサラダがのっている。「鴨ネギ」ということなのだろう。さらにアッシュパルマンティエが付くのも嬉しい。
ここまでの料理で気がつくのは、フレンチなんだけど、何かしら和の要素が入っているということ。それによって、ちょっとホッとするというか親しみが増すんだよな。

f:id:kane_katu:20220116215404j:plainf:id:kane_katu:20220116215407j:plain

アヴァンデセールが小さなクレープとアイスクリーム。デセールは何とスカイツリー。こういう遊び心は楽しいし、味も抜群だった。

f:id:kane_katu:20220116215410j:plainf:id:kane_katu:20220116215414j:plain

厨房には若いシェフ(宇野昌磨似)がいて調理をしていて、カウンターの内側には鈴木シェフがいる。その鈴木シェフが料理を仕上げてサーブしたり、ワインを注いだりしている。というわけで、基本的には2人体制だが、時々パティスリーの方からも助っ人が入ってくる。ワインはそれほど多くの種類はない感じで、きめ細かく料理に合わせてワインを出すというのは無理なようだ。ただ、そういうことを差し引いても、このコース料理にドリンク4杯で9,000円というのは相当にお得だ。破格と言ってもいい。お土産でもらったフィナンシェもとても美味しかった。このお店は再訪必至でしょう。