Yaoyu(ディナー)

観劇後に神保町をブラブラしてからこちらのお店へ。存在を知って以来、いつか行きたいと思っていた。場所は神田なのだが、繁華街からは随分離れたところにポツンとある(しかも地下)。
18時入店で、カウンターの右端に案内された。カウンターは広めで、中央から右側の方には目隠し用にボトルが並べられている。シェフが1人と奥様と思われるサービスの人が1人の2人体制だった。カウンターからは厨房が全部見える。
メニューはアラカルトの他に、前菜2品に魚、肉の6,000円のコースと前菜が4品になる8,000円のコースがある。初めてなので6,000円のコースにした。


スタートはスイスのシードル(アルコールは入っている)。MENTIとの二択だったので、飲んだことがない方を選んだ。料理の邪魔をしない程度の甘みがあって美味しかった。アミューズはタコとケールとセミドライトマト。タコはプリプリだった。



冷たい前菜はブッラータの入ったガスパチョ。自家製の辣油を垂らしてあるのが面白い。料理に合わせてグラスでワインを出してもらうことはできますかと訊いたところ、うちはペアリングみたいなことはやってないんですよとの回答。白2本、ロゼ1本を並べてくれて、それぞれの説明をしてくれた。白のうちの安い方をとりあえずチョイス。ちょっと高い方はちょっと高いとちゃんと教えてくれた。
ブッラータは結構たっぷり入っている。辣油の辛さがアクセントになっていて美味しかった。



次の料理が来る前にワインがなくなってしまったので、次のワインなのだが、どういうのが合いそうですかと訊いても、やはり選ぶのはお客さんなので、という突き放したスタンス。ただ、こちらも次の料理の食材は分かっているが、どのように調理されてどのようなソースが掛かっているのかが分からない(アラカルトのメニューをちゃんと覚えておけばよかったのかもしれないが、それでも)。料理の内容はお店の人が一番分かっているので、こういうのが合うと思いますが、こういうアプローチもあり得ますみたいな提案がやはり欲しかった。結局先程並べてもらった中からロゼをチョイス。
温かい前菜はジロール茸とトウモロコシに温泉卵がのったもの。温泉卵を崩して、混ぜて食べる。素朴に美味しかったし、トウモロコシが甘かった(白い粒のもあったな)。ワインは多分ロゼで正解。



次の魚料理の前に、またワインのチョイス。軽い赤でもいいかもという提案をもらい、赤を並べてもらって考えていると、セラーから別の白も出してくれた。肉の時に赤飲むしなと思い、せっかく出してもらった白にした。
魚はマコガレイ。上に鱧のソース(って言ったかな)が乗っていて、下にはちょっと焦げ目が付くように炒めたキャベツ、それにレモンの泡が添えられている。これがこの日一番美味しかった。魚はふんわり仕上げられていて、キャベツのシャキシャキと好対照。ソースも美味しかったし、レモン泡も効いていた。それとキャベツと一緒に炒められていた小さな肉片が小さいけれどもいい仕事をしていた。ワインはソーヴィニョン・ブランだったので、レモン泡には合っていたが、魚本体に合わせるなら、もう少しふくよかなワインが良かった。



メインは沖縄の豚。ワインは先程並べてもらった中からメキシコのワインをチョイス。もはや相性うんぬんではなく、物珍しさで選んだ。メキシコのワインの飲むのは初めて。色が薄くて軽い感じだが、元々そういうワインが好きなので、これはなかなか美味しかった。
お肉は美味しかったけど、ちょっと脂身が多くて、ボリューム的にはイマイチ。付け合せの野菜にもそれぞれ手が掛かっていたが、ジャガイモはかなり固かった。



デザートは桃のコンポートとバジルと何とか(失念)のシャーベット。コーヒーはコースには含まれていないので、別に頼んだ。コーヒープレスで淹れてくれて、取っ手のない器で出てきた。食後にお茶飲んでるみたいで落ち着いたね。



予約の電話をした時から感じていたが、サービスの女性にあまり愛想がない。ただ、常連とおぼしき人とはにこやかに話していたので、一見だからなのかもしれない(もしくは私だからなのかもしれない)。料理が美味しかっただけに、ちょっと残念な気持ちになった。どこのレストランもそうだけど、やはりそれなりに通って、こちらの好みとかを知ってもらわないと駄目かもな。