「7日間ブックカバーチャレンジ(延長戦)」10冊目

『新・対局日誌』全8集(河口俊彦

高校、大学時代に将棋部に属していた。大学卒業後も友人たちと旅行に行って将棋を指して、会誌を発行するという遊びをしていたのだが、それも終わってしまってからは指すことは稀になった。ただ、見るのは今でも好きで、新聞の将棋欄とNHK杯は見ている。高校時代は将棋の本を随分読んだし、棋譜も随分並べた。この本は将棋の戦術書ではなくて、将棋エッセイである。将棋エッセイにも2種類あって、図面や棋譜が入っているものと入っていないものがある。これは図面や棋譜が入っているので、ある程度将棋を知っている人の方が楽しめるが、そうでない人でも面白いと思う。
河口俊彦はとにかく文章が上手い。棋士にしては上手いとかそういうレベルは軽く超えている。棋士の書く将棋エッセイで「対局日誌」の右に出るものはないと思う。作家の書いたものであれば山口瞳の『血涙十番勝負』が面白い。

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