不屈の棋士(大川慎太郎)★★★★☆ 10/8読了

人工知能の「強手」を受けた棋士が繰り出す、局面打開の「勝負手」とは?約1000年もの間、日本人に親しまれてきた将棋。400年の歴史を有するプロ制度。由緒ある誇り高き天才集団は、はたしてこのまま将棋ソフトという新参者に屈してしまうのだろうか。劣勢に立たされ、窮地に追い込まれた彼らはいま、何を考え、どう対処し、どんな未来を描いているのか。現状に強い危機感を抱き、未来を真剣に模索する11人の棋士たちの言葉は、人工知能の発達によってコンピュータに仕事を奪われかねない私たちに、新たな視点をもたらしてくれるはずだ。

この本はとても興味深かった。将棋ファンなら必読と言ってもいいと思う。
コンピュータに仕事を奪われると言っても、普通の人たちにはまだあまりピンと来ないだろう。でも将棋界ではそれが目に見える形で迫ってきている。実際にA級棋士がコンピュータに敗れ、コンピュータにはいずれ誰も勝てなくなるとインタビューに答えた11人の棋士たちは皆言っている。ではその時、人間である棋士の存在価値はどうなるのか? 11人の棋士たちにはそれぞれの考え方があり、ほとんどの棋士たちの苦悩が伺えた。私は、人間同士の対局はなくならないと思う。コンピュータがいくら強くても、見たいのはやはり人間同士の戦いだからだ。

不屈の棋士 (講談社現代新書)
不屈の棋士 (講談社現代新書)大川 慎太郎

講談社 2016-07-20
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