人類を救うのはアンドロイドの子猫!?女性ジャズピアニストが世界的ロボット研究者から受けた奇妙な依頼。それが人類の運命をゆるがす事件の始まりだった。AI技術による人間観の変容を通奏低音に、稀代の語り手が軽やかに壮大に奏でる近未来エンタテインメント小説!
仮想現実やら人工知能やらがこれでもかと出てくる近未来SFエンタメ。SFなんだけれども、語り部が人工猫という「吾輩は猫である」スタイル。しかも、ジャズと将棋と落語が主要題材になっており、エリック・ドルフィーや大山康晴や立川談志のアンドロイドが出てくるんだから、読んでいて楽しくて仕方がない。随所にくすぐりも満載で、とても長いんだけど、最後まで飽きずに読めた。これは傑作と言ってもいいでしょう。
ただ、物理的に分厚くて重いので、本ではなくて、レンガを運んでいるようだったね。
ビビビ・ビ・バップ | |
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