ダークゾーン(貴志祐介)★★★☆☆ 5/20読了

軍艦島”を舞台に描く、悪夢の世界!
情報科学部学生で日本将棋連盟奨励会に属するプロ棋士の卵である塚田は闇の中で覚醒した。十七人の仲間とともに。場所も状況もわからぬうちに始まった闘い。人間が異形と化した駒、“敵駒として生き返る戦士”などの奇妙な戦術条件、昇格による強力化――闇の中、廃墟の島で続く、七番勝負と思われる戦いは将棋にも似ていた。現実世界との連関が見えぬまま、赤軍を率いる塚田は、五分で迎えた第五局を知略の応酬の末に失い、全駒が昇格する狂瀾のステージと化した第六局は、長期戦の末、引き分けとなった……。

訳が分からないまま戦いの場に放り込まれた奨励会員の塚田たちの戦いと、そうなる前の日常が交互に描かれていて、段々謎が明らかになっていく。
こういうゲーム系の小説は普段読まないので、入り込むのに苦労したが、一旦入ってしまえば夢中になれた。奨励会員の生活や将棋界のこともよく調べてるね。私は将棋が好きなので、日常の方の章も楽しめた。
ラストは、まあそうするしかないのかなというオチだが、全体を通してかなり読ませる本であることは間違いない。ただ、内容的には将棋の比重が高いのに、表紙にチェスの駒があるのが納得いかない。まあ、表紙に将棋の駒があると、それだけで敬遠してしまう人がいるかもしれないからということなんだろうけどね。

ダークゾーン

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