「別れ話」についての話です。「音楽には2種類しかない。いい音楽と悪い音楽だ」と言ったのは、確かデューク・エリントンだったでしょうか。
私は以前からこう感じているのです。人間には2種類いる。簡単に別れられる人間と、とても苦労して別れる人間と。
ひと言で別れと言ってもいろいろあります。男女の別れもあれば、同性、友人、部屋のモノ、喫煙やクスリ等中毒との別れもあるし・・もちろん最大の別れは死、なのでしょう。
今回はその中でも最も卑近で平凡な、「離婚」についてです。なおかつ苦労して別れる話です。
ここで大事なのは、別れることは決まっているということです。初めから。ではなぜこれほどまでに苦労するのか。このことを皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
作・演出:山内ケンジ
出演:吹越満 / 安澤千草 / 橋本淳 / 村上穂乃佳 / 鄭亜美 / 折原アキラ
会場:三鷹市芸術文化センター 星のホール
三鷹市芸術文化センターで吹越満ということで、2015年の『水仙の花 narcissus』にちょっと似ていた。相変わらずの大人演劇。観ているこっちが居たたまれなくなるような微妙な空気感で舞台を満たしている。セリフのタイミングや強弱、目線や表情など、実に繊細な演技が必要とされるのだが、役者陣はみな達者でした。
上演時間は1時間50分。上手側にすりガラス越しに見える玄関があるので、真ん中に座れないのであれば、下手側に座ったほうがいいと思う。
次回公演は4月に『自己紹介読本』の再演。再演はちょっと残念だが、また年末に新作やってくれることに期待しよう。