ハイバイ15周年記念 同時上演「て」

わたしたちの「ち」

ハイバイ主宰の岩井秀人の家族をモデルにした自伝的作品。
祖母の認知症をきっかけに再集合した家族が、過去の関係を清算しきれず、さらに大爆発する様子をハイバイらしい「ちょっとウンチついたくらいの『人間くささ』」で描ききったスーパー家族劇。
母を男性(浅野和之)が演じ、祖母を女優(能島瑞穂)がフツーに演じる。全体としても「同じ時間を視点を変えて2周する」という様々な試みがジャックポットに入った奇跡の名作。
韓国では3回再演され、第38回ソウル演劇祭で3冠を受賞した。


作・演出
岩井秀人


出演
浅野和之 平原テツ 田村健太郎 安藤 聖 岩瀬 亮 長友郁真 今井隆文 能島瑞穂 湯川ひな 佐野 剛 松尾英太郎 猪股俊明


会場:東京芸術劇場 シアターイース
日程:2018年08月18日 (土) 〜2018年09月02日 (日)

何度も再演している「て」をようやく観ることができた。
中央に細長い舞台があり、客席は対面式になっている。祖母の認知症をきっかけに再集合した家族の話だが、同じことを二度繰り返す構成が上手い。A面では省略されていた台詞や裏に居た人物が、ひっくり返してB面ではそれがどういうことだったのかが明らかになる。しかも微妙に変えてくるのだ。この構成は素晴らしかった。しかも舞台上でも物理的に向きを変えるので、対面式の客席が活きてくる。
母親役の浅野和之はさすがの演技だった。でも他の役者たちもみんな良かったね。これで、ハイバイの主要な舞台は大体観たかな。今後は家族の話からは離れて新たな展開になって行くようなので、そちらも楽しみだ。
なお、今回の先行予約特典は「マッキー」だった。前回の糊に続いて、実用的でいいね。