城山羊の会 『仲直りするために果物を』@東京芸術劇場シアターウエスト

いざこざ、いさかいが起きて謝罪する必要がある。仲直りしなくてはならない。これはご近所でも会社でも、国と国とでも昔からよく起きている事象であります。今回は真の謝罪とは何か、もしくはなぜいさかいが起きてしまうのか、ということよりもむしろ、仲直りするために果物を持って行くのだが、それにはどんな果物がよいのか、という点にこだわり抜き、しかもお金がないので高い果物が買えない、ということになり、ついにはそもそもなぜ仲直りするのだったか、という疑問点へと最近の演劇界では珍しいほどの速力で疾走、迷走するある意味正攻法の現代劇であります。城山羊の会常連の俳優陣に、松井周、遠藤雄弥を迎えて、数年前、日本中が節電に懸命になった時の、あの暗くて美しい夜の新宿のような舞台を作るつもりです、どうかご期待くださいませ。


作・演出:山内ケンジ
出演:石橋けい、松井周、岡部たかし、岩谷健司、東加奈子、吉田彩乃、遠藤雄弥
日程:2015年05月29日 (金)〜2015年06月07日 (日)
会場:東京芸術劇場シアターウエス

岸田戯曲賞受賞後第1作。かなり不思議な設定の芝居だった。上記のあらすじのような文章を書いてから、大分内容を変えたんじゃないかな。
岡部たかしと岩谷健司のやり取りは盤石の上手さ。それから松井周も良かったなあ。
人が死んでいるのに頓着せずに話が進んでいくところも不条理感たっぷりだった。
俳優がみんな血だらけになっての終演後の挨拶ってのも珍しいね。