切実「切実」@早稲田小劇場どらま館

岡部たかしと岩谷健司はもちろん、今回は武谷公雄さんをお招きし、華美な舞台装置を用いることなく、俳優の言葉と切ない身体による会話劇を、ふじきみつ彦の脚本で上演します。80分程の長編作品(ストレートプレイ)を上演する予定です。


脚本: ふじきみつ彦 / 演出: 岡部たかし
出演 岡部たかし / 岩谷健司 / 武谷公雄


<期間>
2018年7月12日 (木) 〜2018年7月16日 (月・祝)
会場 早稲田小劇場どらま館

猛暑のなかを早稲田まで。劇場の外で待ちたくないので、時間ピッタリに着いた。中はかなり冷房が効いており一安心。
舞台上はベンチが2つと上手側のベンチの後ろに木が1本。そこへ、見守り隊の格好をした岩谷健司がやってきて、タオルで汗を拭ったり、水筒から何かを飲んだり、フルーツを食べたり、ピアニカを弾いたりする。ほとんど一人芝居の様相だが、これがなかなか面白くて飽きさせない。ひとしきり色々やったところで、見守り隊の会長である岡部たかしが登場。そこからは2人の軽妙なやり取りが始まり、ほどなくして、ちょっと金持ち風の武谷公雄がやってくる。武谷は見守り隊が見守っている小学生の父親なのだ。そこから、話は居心地の悪い方向へと進んでいく。ふじきみつ彦といい、山内ケンジといい、この「居心地の悪さ感」が堪らないんだよな。3人の俳優の特長をうまく表現した素晴らしい脚本だった。こういう岡部たかしが、岩谷健司が、武谷公雄が見たかったと思うような台詞と演技だった。上演時間は60分。背もたれのないベンチシートでは、このくらいが限界かな。暑い中わざわざ観に行った甲斐のある芝居でした。