SALONE2007(ディナー)

19回目の結婚記念日ディナーに選んだのは、各所で噂のこちらのお店。娘が校外学習で居ない時期が結婚記念日に近かったので、妻と二人で伺った。
中華街を抜けた先にお店はある。19時前に到着すると、藤巻氏が店の前で出迎えてくれた。料理通信5月号によると、藤巻氏は統括職になっていて現場には立っていないと書いてあったのだが、しっかり現場に立っていた。
内装は濃紺+ゴールドで、シックでゴージャスな感じ。思ったよりもこじんまりとしている。テーブルにはゴールドの見せ皿が置いてあって、ナイフとフォークもずらりと並べられている。
料理は月替わりのコース一本。料理ごとにグラスワインを合わせるデギュスタシオンのコースがあるので、ワインはそれにした。ワインの量によって値段も違っていて、私はフルポーションで妻はハーフポーションにした。最初にシェフの挨拶もあり。


1皿目はお決まりの「山形牛のスピエディーノ」。2皿目は「カジキ鮪のバッサ テンペラトゥーラ」。ワインは本日のシャンパーニュ。銘柄は失念。シャンパーニュだけは妻もフルポーションとなる。「山形牛のスピエディーノ」はネット上で何度も見ていたが、実際に食べるとさすがに美味しかった。トリュフが良く利いてるんだよな。「カジキ鮪のバッサ テンペラトゥーラ」は料理の上にパートフィロが乗っていて中が見えない。このパートフィロをパリパリ割って、中身と合わせて食べる。中にはカジキ鮪の他にメロンやウイキョウや茄子のクレマが入っている。美味しかったけど、この一皿はやや微妙だったかな。



3皿目は「鮮魚のヴァポーレ」。ワインは「マルヴァジア 2007 / ニコリーニ」。「鮮魚のヴァポーレ」もサローネの定番料理。コチとタコとハマグリ、それにポワロー葱が入っていて、ハマグリのスープにオレンジのオイルとイタリアンパセリがかけられている。器がすり鉢状になっているので、いつまでも熱々で食べられた。ハマグリのスープが抜群に美味しいので、オレンジのオイルはもうちょっと控えめの方が良かったかも。ワインは白なんだけど、ちょっとロゼっぽくて、香りは桃のように甘いけど、後味には苦味があるというちょっと変わったものだった。
4皿目は「チンタネーゼ豚のクッキアイオ」。ワインは「ガイア 2008 / カンティーナ ジャルディーノ」。このワインだけ、私も妻も1/4ポーションとなっている。ワンスプーンの料理なので、一口で食べて、何度も噛んで、色々な味を楽しむようになっている。



5皿目は「タリアテッレ サルサ トラパネーゼ」。ワインはシチリアの「クォータ "600" 2009 / グラーチ」。ソースが濃厚で美味しかった。アーモンドもいいアクセントになっている。
6皿目は「ホロホロ鶏とチェリーのトルティーノ」。ワインは「ポンテ デッラ ラーマ ロザート 2009 / チェファリッキオ」。鶏肉の中に入っているのはマッシュルームのデュクセル。ワインはプーリア州のロゼ。イタリアのロゼは初めて飲んだ。



7皿目は「スペッツォリ 鹿ラグー ティロルレーゼ」。ワインは「グラナート 2008 / フォラドーリ」。簡単に言えば、ほうれん草のニョッキと鹿のラグー。
8皿目は「仔牛のアッロスト "ニーノ ベルジェーゼ"」。ワインは「バローロ 2006 / ジョゼッタ サッフィリオ」。このワインはエチケットのイラストが可愛かった。仔牛はかなりレア。付け合わせのキワイモのフランがなかなか面白かった。



ドルチェは「ババとブルーベリーのギアッチャート」。お皿には妻と私のを合わせると「結婚記念日おめでとう」となるメッセージ入り。メキシコのラムをスポイトでババにかけてくれて、ラムもサービスで飲ませてくれた。
ドリンクは妻がコーヒーで私がエスプレッソのダブル。かっちょいい小菓子も付く。



料理の説明入りのイラストをくれて、これがなかなか可愛いし、記念になっていいね。ワインのリストもくれた。



料理のことは途中からあまり細かく書かなかったが、基本的にすべて美味しかった。どれも手が込んでいて、付け合わせと一緒に食べることによって、色々な味の変化を楽しめるようになっている。ただ、ナッツのカリカリ感をちょっと多用しすぎだったかもしれない。
ワインも美味しかったけど、ちょっと高いな。次に行くとしたら普通にボトルを頼むだろうな。


サローネのサービスは「藤巻劇場」とも賞されたらしいので、どれだけ濃厚なんだろうと思ったが、それほどでもなかった(他の店に比べれば濃厚だが)。ただ、ソムリエ氏が最後にイタリアでの修行時代のお店の本を持ってきて自慢を始めてしまったのにはちょっと閉口した。シェフの渡部氏は最後にも出てきて料理の感想を聞いていた。シェフは控えめな感じの人だったね。
料理の進行等はほぼ完璧だった。次の料理が出てくるまで待たされて手持無沙汰になるなんてことは一度もなかった。サービス料は高かったけど、それに見合ったサービスだったとは言えるだろうね。
まあ、そうそう行けるお店ではないな。年に一回行けるかどうかだろうな。