オリーヴ・キタリッジの生活(エリザベス・ストラウト)★★★☆☆ 12/31読了

アメリカ北東部の小さな港町クロズビー。一見静かな町の暮らしだが、そこに生きる人々の心では、まれに嵐も吹き荒れて、生々しい傷跡を残す―。穏やかな中年男性が、息苦しい家庭からの救いを若い女性店員に見いだす「薬局」。自殺を考える青年と恩師との思いがけない再会を描いた「上げ潮」。過去を振り切れない女性がある決断をする「ピアノ弾き」。13篇すべてに姿を見せる傍若無人な数学教師オリーヴ・キタリッジは、ときには激しく、ときにはささやかに、周囲を揺りうごかしていく。ピュリッツァー賞を受賞した珠玉の連作短篇集。

読んでいて楽しい本ではないので、読み終えるのに随分時間が掛かった。オリーヴ・キタリッジという女性が主役になったり、脇役になったり、チョイ役になったりして全編に登場する連作短編集となっている。但し、順番に読まないと意味がないので、一種の長編小説とも取れる。
オリーヴ・キタリッジの40代から70代までが描かれている。どちらかといえば「老い」をテーマにした話が多いが、いずれにしても、淡々とした生活の中にも波風はあるということが語られる。
読んでいる途中は結構読み続けるのが辛い時もあったんだけど、読み終わってみると不思議と心に残る。生きていれば色々なことがあるし、それを受け入れて生きていくしかないんだよなと思う。

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