ぶらん(ディナー)

関内の「ぶらん」に行くのも今回で三度目。娘が帆船日本丸での宿泊体験学習で居ないのを機会に妻と二人で訪れた。6月6日の結婚記念日に近いので結婚記念日ディナーという位置づけである。
ぶらんには5千円と7千円のコースがあり、その上に1万円のスペシャルコースもある。1万円はちょっとしんどかったので、7千円と1万円の間をとって、8,500円のコースにしてもらった。今回は事前にワイン(コント・ラフォン・ムルソー・1erCru・グット・ドール 2003)も持ち込んだ。
18時15分頃入店で、先客に常連さんらしきご夫婦一組。我々はシェフの目の前の席に案内された。最初の一杯はグラスのクレマン。ほどなくして前菜。食用ほおずき、カニのゼリー寄せ、田舎風パテ、鶏肉のガランティーヌ、タコのトマトパウダーがけ、それにマンゴー入りのカプレーゼ。カニのゼリー寄せは前にも食べたけど、他はみな初めてかもしれない。こういうパテが好きなんですよという話をしたら、ビストロチックな料理も得意なんですとシェフが言っていた。タコにかかっているトマトパウダーが不思議に美味しかった。


クレマンがなくなったところでコント・ラフォン。最初は少し香りは閉じぎみだった。コント・ラフォンに関してはエントリを改めて書きたい。二皿目は「天使の海老」。下にあるのはルバーブのコンポート。ルバーブの酸味・甘味と海老が絶妙にマッチしていた。


三皿目は牡蠣。牡蠣は生ではなく火を通してある。かかっている透明っぽいトマトのソースの酸味加減も良くて、抜群に美味しかった。


四皿目は野菜で隠れてしまっているが、フォアグラのソテー。棒状のフォアグラを周りをカリカリに焼いて、直方体にカットしてある。ソースは名前を忘れてしまったのだが、バルサミコではない。外側のカリカリが香ばしくて中は濃厚で、これも美味しかったなあ。


五皿目はポモドーロ。ミキサーで泡立てたトマトソースがふんわりしていて美味い。ルッコラも非常に肉厚で味がしっかりしていた。今回の自家製パンはフォカッチャ。これがまた美味しかった。トマトソースは全部パンで掬って食べた。


六皿目はイサキのポワレ(写真を撮る前に食べてしまった)。付け合わせに冷たいキュウリとグレープフルーツを持ってくるところが珍しい。赤いソースはパプリカのソース。魚料理のところでコント・ラフォンがなくなったので、ピュリニー・モンラッシュ(ポール・ペルノ)をグラスで。さっぱりしていて美味しいけど、コント・ラフォンとの差は歴然だな。


七皿目がオーロラ・ラム。幻のラム肉らしく、日本にもそんなに数は入ってこないらしい。大きな塊肉を目の前で捌いてくれた。モロヘイヤのソースと塩だけでさっぱりと頂く。この肉は絶品だった。ラム肉特有の臭みは全くない。火入れが絶妙のせいもあるが、とても柔らかくて、それでいて噛みごたえもある。素材がいいからあまりこってりしたソースだと合わないとシェフが言っていた通り、モロヘイヤのソースと塩というのがちょうどいい感じだった。肉料理に合わせた赤はシェフの薦めでアンリ・グージョのニュイ・サン・ジョルジュ2007。ちょっとひねた香りがあったけど、果実味が豊かでなかなか美味しかった。


写真はないが、最後に白いご飯と赤だし。赤だしの具は天然の蕨。相変わらず、ここのご飯と赤だしは美味い。
デザートは「Wedding Anniversary」とチョコで書かれたプレートの上に二皿。一つは柔らかいパンナコッタ。もう一つはバニラアイスにレモンのケーキ。私は食べたことがあったが、妻はこのパンナコッタは初めてだったので、美味しくて驚いていた。


最後はお茶でフィニッシュ。7千円のコースを食べている人がいなかったので分からないが、おそらく牡蠣とフォアグラの二皿あたりがスペシャルだったんだと思う。
料理は前二回とほとんど重なっておらず、シェフの工夫も感じられてどれも美味しかった。あまり人まねはしたくないので、休日に食べ歩いて研究するようなことはしないと言っていた。これからもどんどん独創的な料理を作っていって欲しいね。あんまり人気が出過ぎないといいんだけど。

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