ありえないことなど、ありえない。不思議なことも不思議じゃなくなる、この日常世界へようこそ。七階を撤去する。廃墟を新築する。図書館に野性がある。蔵に意識がある。ちょっと不思議な建物をめぐる奇妙な事件たち。現実と非現実が同居する4編収録の最新作。
前作の『鼓笛隊の襲来』は面白かったんだけど、本作は個人的にはイマイチだった。「七階闘争」はアイディアは面白いと思うんだけど、ショートショート向きって感じがする。星新一が手がければ面白くなっただろう。「図書館」は『バスジャック』の「動物園」の時の人が再登場して図書館を調教する話なんだけど、何となく冴えない。「蔵守」に至っては全然入り込めなかった。唯一表題作の「廃墟建築士」だけはそれなりに面白かった。
廃墟建築士 | |
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