今回のワールドカップにおいて見えた日本代表の課題(その3)

<今後に関して>
フィジー戦では、SHが2人負傷退場するというアクシデントに対応することができなかった。例えばの話だが、アレジの代わりに廣瀬を連れて行き、リザーブに廣瀬を入れておけば、この事態には対処できただろう。もちろん、SHが2人とも負傷するというのは滅多にないことだし、終わった後からなら何とでも言える。それでも「もしこんなことが起きてしまったらどうするか」ということを常に考えて、それに備えておかなければならない。今回のことを今後の教訓として欲しい。

今までの日本代表を見ていると、ワールドカップが終わると0に戻ってしまい、それをまた4年間(実際には最後の1年くらい)でなんとか100にまで引き上げるという繰り返しである。これではいつまで経っても成長はない。せめて、今回のワールドカップ後には50くらいの土台を残して、その上に100を積みますよう
にして欲しい。そうすれば次回は150の戦力で戦える。そのためには次回のワールドカップまでカーワンがヘッドコーチを務めてくれることが望ましい。幸いにして、とりあえず続投は決まったようだ。長期的な視野に立って、選手を選び、テストマッチで経験を積ませ、チームとしての成熟を高めて欲しい。今回のチームはいかにも急造だった。もちろんそれはカーワンのせいではないが。
今回のワールドカップではまたもや1勝もできなかったが、2勝できる可能性があることを示してくれた。但し、「勝てる試合だった」と「実際に勝つ」の間には思っているよりも深い溝がある。次の4年間で是非その溝を埋めて欲しい。


(終り)