日本語は天才である(柳瀬尚紀)★★★☆☆ 4/3読了

日本語の可能性や奥の深さを、中学生や高校生でも読めるようにということで割合易しく説いている。日本語の天才ぶりをアピールするために自身の翻訳を例に用いているので、著者自身の翻訳の才能をアピールしちゃってるのが玉に瑕だけど。


私は、著者の他の作品(『辞書はジョイスフル』など)やいわゆる「日本語本」を何冊か読んでいるので、内容的にはそれほど目新しいものではなかった。但し、「第7章」で語られている「七をナナと読むかシチと読むか」という話は面白かった。「70年安保闘争」の際の「ナナジュウネンアンポ」という連日のテレビ報道によって、「ナナ」という読み方がお茶の間に浸透してしまい、本来「シチ」と読むべき言葉も「ナナ」になってしまったのだという意見は興味深い。


柳瀬尚紀の本を初めて読む人や、「日本語本」をあまり読んだことのない人にとっては十分に面白いでしょう。まあ、でも特に高校生あたりに読んで欲しいね。


日本語は天才である
日本語は天才である柳瀬 尚紀

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