村上春樹にご用心

ベストセラー『下流志向』のウチダ教授が村上文学の秘密をついに解きあかす!

村上春樹はなぜ世界中で読まれているのか?
風の歌を聴け』から『アフターダーク』までを貫くモチーフとはなにか?
なぜ文芸批評家から憎まれるのか? うなぎとはなにか?

──だれにも書けなかった画期的な村上春樹論登場!
「これはカッキ的文学論である。読めば、びっくり」(著者)

村上春樹本は全部チェックしていると切りがないんだけど、著者が内田樹だし、目次の見出しを見るにつけ、なかなか面白そうだな。

●目次

はじめに〜ノーベル文学賞受賞のヴァーチャル祝辞

1 翻訳家・村上春樹
極東のアヴァター〜『羊をめぐる冒険』と『ロング・グッドバイ
すぐれた物語は身体に効く
キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読む
お掃除するキャッチャー
翻訳とは憑依することである

2 村上春樹の世界性
「父」の不在
冬のソナタ』と村上春樹
『冬ソナ』と『羊をめぐる冒険』の説話論的構造
霊的な配電盤について
フッサール幽霊学とハイデガー死者論
After dark till dawn
無国籍性と世界性
パリで「かえるくん、東京を救う」を読む
フランス語で読む村上春樹
太宰治村上春樹

3 うなぎと倍音
身体で読む
読者のとりつく島
倍音エクリチュール
うなぎくん、小説を救う
ランゲルハンス島の魔性の女
村上文学における「朝ご飯」の物語論的機能
比較文学とは何か?

4 村上春樹と批評家たち
食欲をそそる批評
村上春樹恐怖症
なぜ村上春樹は文芸批評家から憎まれるのか?
激しく欠けているものについて
詩人と批評家
自分の愚かしさを吟味する方法
ニッポンの小説は再生できるか

5 雪かきくん、世界を救う
村上春樹とハードボイルド・イーヴル・ランド
ハーバーライトを守る人
三大港町作家
アーバンとピンボールの話
三〇〜四〇代の女性に薦める一作『神の子どもたちはみな踊る
ふるさとは遠きにありて思ふもの
100パーセントの女の子とウェーバー的直感について
あとがき

村上春樹にご用心
村上春樹にご用心内田 樹

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