名人戦問題:毎日と朝日が共催案に対する回答を提出

日本将棋連盟米長邦雄会長)の理事会が名人戦の主催を毎日新聞社朝日新聞社の共催とする新提案を示した問題で、毎日新聞社は15日、新提案への回答書を米長会長あてに提出した。

 回答書は「弊社は当初より、貴連盟が一切の協議なしに名人戦の第66期以降の契約解消を通告してきた3月28日付の通知書の取り消しを求めております。通知書が撤回されたならば、弊社は第66期以降の契約内容について誠実に話し合う用意があることも、以前から繰り返し述べてきた通りです」との内容。

 ◇情勢見て最終判断――朝日回答書

 一方、朝日新聞社も15日、新提案への回答書を出した。「名人戦を単独主催したいという考えに変わりはありませんが、共催案にも基本的に異存はありません。実現するためには、毎日新聞社の同意など、いくつかの条件があります。これらを見極めながら最終判断をしたい」との内容。

まあ、予想通りの展開ですな。

毎日新聞社は15日に棋士への説明会を開いた。そこで、観堂義憲・東京本社編集局長はこう言ったという。

「理事会は『通知書を撤回すると、第66期以降の契約は自動継続になる』と主張しているが、弊社は撤回しても、自動継続になるとは考えていない」

米長会長は「改めて理事会で今後のことを検討し、5月26日の総会に臨みたい」と言っている。

総会では、まず通知書を撤回するのかどうかが争点になるだろう。完全に私の予測だが、棋士たちの過半数は、まず通知書を撤回すべしと思っているのではないだろうか。この時点で理事会と棋士たちの意見が分かれることになる。棋士たちの過半数が通知書の撤回を求めた場合、理事会はその意見を汲んでくれるのか(そもそも通知書撤回に関して多数決を採ってくれるのか)。通知書撤回となった場合、理事会は退陣するのかしないのか。もし退陣してしまったら、その後の話し合いはどうなるのか。退陣しないのであれば、毎日単独開催で話が進むのか。その場合、朝日はどう動くのか。
考えても分からないことだらけである。経緯を見守るしかないな。