攻める姿勢は見えた

リポビタンDチャレンジ2005 日本vsアイルランド(18-47)秩父宮ラグビー場

本当は見に行きたかったが、やむなくテレビ観戦。秩父宮はよく入ってたね。フォワードにヤマハの人間を集めたり、ハーフ団を経験豊富な村田・廣瀬のコンビにするなど、結果を出そうとしているのがよく分かる先発だった。

前半は早々に2トライ奪われて、こりゃ駄目かなと思ったが、その後は持ち直した。そして34分にターンオーバーから大畑が独走トライ。ゴールも決まって10-14。このトライはいいトライだった。敵ボールを奪ってからの動きが実にスムーズだったのだ。このままの点差で前半を切り抜けろよと思いながら見ていると、ロスタイムに自陣で反則を犯してしまった。当然PGを狙うかと思ったら、アイルランドはタッチに蹴り出してきた(余裕か?出した時点で笛が鳴るとは思わなかったんだろうか?)。結局ジャパンはその後の攻撃をしのいで前半を終えた。前半だけを見れば大健闘である。気になるのは、前半終了間際にシンビンで一人欠いてしまったことだ。

そして後半。見ている誰もが、シンビンで退場した高木が戻ってくるまでこの点差のままこらえろよと思ったことだろう。ああ、しかしその願いもむなしく、後半開始早々に2トライ奪われてしまうのだ。これで試合は決まってしまった。その後も着々と加点され、ジャパンは廣瀬のPG1本と大畑のトライを返すのが精一杯だった。


アイルランドは強くて、速くて、うまかった。ジャパンはセットプレーではことごとく苦戦した。しかし、この間のカナダ戦のようなフラストレーションはあまり溜まらなかった。それはジャパンが攻める姿勢を見せてくれたからだ。この試合ではタッチキックを蹴る代わりにクイックスタートをする場面が結構見られたし(SHが「PからGO」の村田だしねw)、SO廣瀬のプレーもボールをなるべく動かそうとする意図がよく見えた。正直、次のワールドカップを目指すのであれば、この2人が出ているようでは駄目なのだが、現時点で結果を出そうと思ったらやはりこの2人になってしまうのだろう。

これで2005年春のジャパンの活動はひと区切り。萩本監督の進退が問われることになるが、結果を出せなかった萩本監督は当然解任されるべきだろう。そして次の監督はいよいよ2007年のワールドカップを見据えた人選になる。外国人監督がすべていい監督は限らないが、ここは是非ラグビー先進国から優秀なスタッフを招聘して欲しい。
(萩本監督はつらい立場だったと思う。前回のワールドカップが終わって、次のワールドカップまではまだ時間があり、選手のモチベーションもあまり上がらないだろうし、育成と結果の両方を求められる。そして、自分が次へのつなぎの監督であることもおそらく自覚していたと思う。)

次のワールドカップに出場するに当たっては、世代交代が必要不可欠だ。是非、元木、村田、廣瀬等々の経験を若い選手たちに引き継いで、史上最強のジャパンを作って欲しい。