門戸は開かれるか

日本将棋連盟米長邦雄専務理事は13日、アマチュア強豪で知られる瀬川晶司さん(35)から提出されている「プロ嘆願書」の扱いについて記者会見し、(1)試験でフリークラス編入(2)却下(3)三段リーグ入り−−などを視野に入れ、理事会でさらに詰めることを明らかにした。26日の棋士総会に委ねられる。 プロ棋士になるには現行制度では、棋士養成機関の奨励会に入り、四段になるしか道はない。 瀬川さんは元奨励会三段。しかし、1996年に年齢制限をクリアできず、退会した。その後、プロ相手の公式対局で17勝7敗の成績を残し、プロ入りを熱望している。

この件で思い出されるのはやはり囲碁坂井秀至(さかいひでゆき)氏だろう。2001年6月から京大付属病院の研修医として医師への道を進むはずだったが、「囲碁に専念したい」とプロ棋士への転身を決め、2001年9月、関西棋院の試験碁で4戦全勝し飛付五段で入段している。そしてその後の活躍は目を見張るばかりである。

個人的には是非将棋界も門戸を開いて欲しい。もし(1)の決定なら、例えばC2の棋士5人と指して勝ち越せばフリークラス編入というのが現実的か。何かで瀬川氏のコメントを読んだが、やるならプロとしてお金をもらってやりたいそうなので、もし(3)の三段リーグ入りという決定になるのだったら、辞退するんだろうな。確かにもう一度三段リーグからやり直したくはないよな。

(1)の決定をしてくれたとしても、誰を試験将棋の相手にするのかの選択が難しい(囲碁の時はどうだったんだろう?)。それとこれが一番の問題になると思うが、今後瀬川氏のようにプロ入りを願う人が出てきたとして、どういう基準で受け入れるか否かを判断するのか。プロ相手の公式対局20局以上で勝率7割とかの基準を作るのか。

26日の棋士総会で日本将棋連盟はどのような判断を下すのか。非常に興味深い。