#真相をお話しします(結城真一郎)★★★☆☆ 3/6読了

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。

初読みの作家。話題になっていたので読んでみた。「分かるよ、これこれこういうことでしょ」と思わせておいて、さらにもう一捻りしてくる。その加減がなかなか上手い。新しい系のミステリー作家には、とんと疎いのだが、浅倉秋成や結城真一郎は結構いいね。