靴ひも(ドメニコ・スタルノーネ)★★★☆☆ 8/24読了

老夫婦が夏のヴァカンスから自宅に戻ると、留守宅が何者かに荒らされていた。家具は倒され、あらゆるものが散乱し、猫が姿を消している。困惑する夫が目にしたのは、40年前、夫が家を出たことをなじる妻からの手紙の束。決して癒えることのなかった過去の傷跡が、次第に浮き彫りにされてゆく。家族はどこへ向かうのか―。ジュンパ・ラヒリによって英訳され、「ニューヨーク・タイムズ」2017年“注目の本”に選ばれた話題沸騰のイタリア小説。

初読みの作家。ジュンパ・ラヒリが英訳したと知って読んでみた。浮気をして家族を捨てた夫が妻に糾弾されるという展開なので、男としてはなかなかに読むのが辛かった。第1部が夫を糾弾する妻の手紙で、第2部では40年後の夫の視点、そして第3部は娘の視点になっていて、とある家族の歴史が描かれる。改行がなく、べったり文章が続くし、内容的にも読むのが辛かったが、それでもぐいぐい読んでしまったのは、物語としてよく出来ているということなのだろう。