子供はつくらない、はずだった――
妻の妊娠と、母の再入院。
正解のない問いの果てに見つけた答えとは?2つの命をめぐる葛藤を軽やかに綴った、感動の家族小説。
演劇界の新星、小説デビュー!
大好きなiakuの作・演出家である横山拓也の小説デビュー作。舞台作品「粛々と運針」を原案としているようだが、「粛々と運針」の内容をかなり忘れてしまっていたので、新鮮に読むことができた。また「粛々と運針」からも結構変えていたと思う。とにかく、夫婦間の機微がリアルに描かれていて読ませる。子どもを産むか産まないか、尊厳死を認めるか認めないかというのは難しい問題であり、ただ1つの正解はない。デビュー作でもさすがのクオリティ。次の小説も読んでみたい。