幕が上がる(平田オリザ)★★★☆☆ 2/12読了

「小っちゃいな、目標。行こうよ、全国」。すべてはその一言から始まった。地方の高校演劇部を舞台に、劇作家・平田オリザが放つ文化系青春小説。

『濡れた太陽 高校演劇の話』(前田司郎)とモロかぶりの本作。どうしても比べながら読むことになる。話の構造はよく似ている。新年度がスタートし、合宿があって、大会がある。美術部がサポートしてくれるのも同じ。
ただ、予想通り本作の方が綺麗にまとまっちゃっている。前田司郎よりも平田オリザの方が指導者目線なんだよな。作中の詩などの引用も説教臭い。「ガルル」や「わび助」といったあだ名も、私だとそれだけで引いてしまう。まあ、高校生が読む分にはいいんだろうね。実際、演劇やっている高校生にはかなり参考になるであろうことが書かれている。
ただ、私は演劇やっている高校生ではないので、『濡れた太陽』の方が圧倒的に面白かったな。

幕が上がる

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